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ドン底からの復活を期す、
小笠原道大の「決意」。
~開幕スタメンを掴めるか!?~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2013/02/08 06:00

ドン底からの復活を期す、小笠原道大の「決意」。~開幕スタメンを掴めるか!?~<Number Web> photograph by KYODO

自主トレで打ち込む小笠原。勝崎氏も「昔のガッツを取り戻せる」と復活をサポートする。

「野球人にとって辛いのは、子供が野球を分かり始めた頃に自分の力が落ちてきて、いいところを見せられないことだ」。

 今年40歳になる小笠原道大を見ていて、山崎武司のこんなセリフを思い出した。

 故障が続いた昨季は、出場わずか34試合、14安打に終わった。“フルスイング”をしても、打球は上がらず、小笠原の悩みは深まるばかりだった。オフの契約更改では、球界史上最大の3億6000万円のダウンを受けいれた。

「体さえ元に戻ればこんなものじゃない、と思い続けるのが野球選手」

 昨年引退した金本知憲はかつて自嘲気味にこう話していたことがある。寡黙な小笠原は自らの不調の原因について多くを語らないが、同じように思っているに違いない。だからこそ大幅ダウンにも平然とサインをしたのだろう。

「最後に賭ける年とは思わない。一から出発の年」

 小笠原は'97年、NTT関東から日本ハムにドラフト3位で入団した。5年目に1億円プレイヤーとなり、'06年の日本一を置き土産に日本ハムから巨人にFA移籍。'07年には巨人を5年ぶりのリーグ優勝に導き、セ・パ両リーグで2年連続のMVPに輝いた。このとき34歳。2人の娘はまだ小学校の低学年だった。

 迎えた今季、常勝を義務づけられる巨人で、小笠原の立場は厳しい。三塁には村田修一がいて、一塁には高橋由伸もいる。原辰徳監督は、「同じ実力なら、将来を考えて若い選手を使う」と明言しており、“2軍スタート”となるキャンプは過酷な戦いとなる。

 自主トレでは、日ハム時代の原点を知る勝崎耕世をコンディショニングコーチとして招き、無駄な動きをなくし、力を効果的に使う“ファンクショナルトレーニング”に取り組んだ。その結果、力強いライナーがセンターから右方向に飛ぶようになったという。

「最後に賭ける年とは思わない。一から出発の年だと考えるようにしている」

 と語る小笠原は、少しずつ手応えを感じ始めている。

 '13年の元旦。復活を期す男は、夫人の作る故郷千葉のすまし味の雑煮を口にせず、走り込みに出かけたという。本当の元旦は、レギュラー争いを勝ち抜き、開幕戦のスタメンに名前を連ねた日と思っているからだ。

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