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新横綱が崩れた九州場所で、
光った和製力士たちの台頭。
~苦悩の日馬富士を倒す存在に~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKYODO

posted2012/12/10 06:00

新横綱が崩れた九州場所で、光った和製力士たちの台頭。~苦悩の日馬富士を倒す存在に~<Number Web> photograph by KYODO

 1年納めの九州場所、新横綱として土俵に上がった日馬富士は、千秋楽を待たずに14日目、白鵬に23回目の優勝を許してしまった。13日目の3連敗時点で4敗となり、優勝の目が消えると、北の湖理事長は、「大関と横綱は責任の違いがある。必ず千秋楽まで(優勝争いの先頭に)ついていくことが大事。痛感してもらいたい」と新横綱に苦言を呈した。

 9勝6敗という屈辱の成績。優勝賜杯を抱く白鵬の姿が映るテレビ画面に、しばし血走った眼をやった後、ため息を何度もつきながら、日馬富士は言った。

「一生懸命やった結果ですから。今場所はいい経験になりました。横綱土俵入りが終わった後の、集中力のもっていき方やそのタイミングなど、来場所に向けてすべてが勉強になった。心と体をもっと鍛えて頑張ります」

 改めて「綱」の重さをどう感じたか、と問われると、「ハハハハハ……」と力なく笑い、「明日は明日の風が吹く。また頑張ります」と開き直ったように言い、自らインタビューを切り上げた。だが、ある元横綱はこう手厳しい意見を語った。

「横綱に連敗は許されない。今場所は新横綱の場所だったから簡単に休場も選択できなかっただろうが、今後は3連敗した時点で休場するべき。今場所の日馬富士は、新横綱のプレッシャーもあって、いっぱいいっぱいだったな。全勝優勝した先の2場所のような勢いと気迫が見られなかった。ちょっとした体調不良でも相撲に響いてしまう小兵だし、まして負け越しは許されない立場。今後、かなり心していかないと、1年もつかどうか」

松鳳山、妙義龍、豪栄道、栃煌山らの若手がそれぞれつかんだ収穫。

 一方、前頭二枚目で10勝し、3大関を撃破して初の三賞を受賞した松鳳山、関脇の地位で負け越したものの新横綱と2大関を破った妙義龍、同じく関脇で11勝を上げ、すでに大関陣と互角の実力を見せる豪栄道、前頭筆頭で3大関に土をつけた栃煌山など、若手力士の台頭が著しかった。ある親方は、こう期待の声を上げる。

「日本人力士たちがじわじわと力をつけてきている。もう一息だ。なかでも妙義龍、豪栄道は来年中に大関に上がれるだろう。上位陣の顔ぶれがかなり変わって相撲界はきっと面白くなるはずだよ」

 2013年は、和製力士たちに注目すべし。

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