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交流戦初優勝の立役者、
T-岡田の“貪欲な成長”。
~MVPを獲得した若き4番打者~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/06/25 06:00

交流戦初優勝の立役者、T-岡田の“貪欲な成長”。~MVPを獲得した若き4番打者~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

6月2日、中日戦でサヨナラ本塁打を放つ、推定年俸1200万円の球団史上最年少4番打者

「3割3分以上を打たないと、ウチでは3割打者とは言わんのですワ」と謙虚に語るのは、交流戦を初制覇したオリックスのT-岡田。それもそのはず、交流戦打率3割1分7厘、6本塁打、24打点の活躍を見せたが、チームには3割8分9厘の坂口智隆を筆頭に、交流戦3割打者がズラリと並んでいるからだ。だが、岡田彰布監督は「優勝の立役者の一人」として22歳の若き4番の名を挙げる。

 昨オフ、岡田貴弘が半ば強制的にT-岡田に改名させられたのは、岡田監督のひと言「同じ名前でややこしいやん」が発端だった。オリックスには、仰木彬監督時代からパンチ佐藤、イチローら「改名すると急成長する」という“伝統”がある。当時のイチローを知る唯一のコーチ、米村理が、「イチローのキャンプもすごかったが、T-岡田も、ようやる。時間外勤務が長すぎて、労働基準法違反やでェ」と語っていたのは、今春の宮古島キャンプであった。「練習はウソをつかない」はイチローの言葉だが、T-岡田にも、今季、早々とその効果が現れている。

“浪速のゴジラ”覚醒の理由は豊富な練習量にあり。

 高校時代は大阪桐蔭の辻内崇伸(現巨人)らと共に“浪速の四天王”と称され、'06年のプロ入り後はウエスタンで本塁打・打点の二冠王に輝き、“浪速のゴジラ”と呼ばれるようになった。昨年は8月から一軍に定着、43試合で7本塁打。だが、三振も59喫し、「バッティングの師」と仰ぐタフィ・ローズに相談したこともあった。そのローズが解雇されたのは、金銭面の問題の他に、T-岡田の成長を見越した面もある。「タフィさんの“T”をもらったと思えば、あの当時、言われたことを思い出せる」と、ファンの公募で決まった名前も前向きにとらえた。

「将来を考えれば、守れて打てる選手でなければいけない」と、DHを嫌って守備を志願したカブレラをスタメンから外してまで一塁手に起用し、カブレラが故障したとき、あえて4番に使った岡田采配。その期待感がひしひしと伝わるから、「練習志願せざるを得ない。今は練習が当たり前になった」と本人は言う。

 今季、激減した三振については、「配球や読みがわかるようになってきた」。今季から野球ノートをつけ始め、「自分では判別できなかった球種について、必ず聞きに来るようになった」と、島袋修チーフスコアラーがそっと教えてくれた。

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