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“最後を盛り上げる”ことが最優先!?
「J1昇格プレーオフ」のあり方を問う。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byAFLO
posted2012/11/10 08:01
自動昇格と優勝を圧倒的な力で決めたヴァンフォーレ甲府の伊東輝悦。ハーフナー・マイクの穴を助っ人外国人と組織力で埋め、1年でのJ1復帰となる。
今季のJリーグもいよいよクライマックス。J1はW杯最終予選の後に残り3試合、J2は週末に最終節を迎え、リーグ戦における最終順位が確定する。もっとも、J2に関しては“その後”に3位から6位のチームによる「J1昇格プレーオフ」が開催されるから、リーグ戦の順位は最終順位であって、実はそうではない。
今シーズンの昇格枠は、例年どおりの3枠である。しかし昨季までは3位までのクラブに「自動昇格」の権利が与えられていたが、今季は3枠目の昇格条件に変更が加えられた。3位から6位までの4クラブがトーナメント方式の「J1昇格プレーオフ」に参加し、トーナメントで優勝したクラブに“3つ目の昇格権”が与えられるのである。
J2の現状を整理してみよう。
第38節にして早々と2位以内を確定させたヴァンフォーレ甲府は、その後も勢いを落とすことなく無敗記録を23に伸ばし、第39節アビスパ福岡戦に勝利して優勝を確定。圧倒的な強さでJ2を制し、1つ目の自動昇格枠を手に入れた。したがって、残る昇格枠は“自動昇格枠”と“プレーオフ枠”がそれぞれ1つずつ。この2つの枠を争う戦いが、11日に行われる最終節までもつれている。
京都、湘南、大分、横浜FC、千葉の5クラブにJ1昇格の可能性。
可能性を残しているのは5クラブだ。2位京都サンガF.C.(勝ち点73)、3位湘南ベルマーレ(72)、4位大分トリニータ(70)、5位横浜FC(70)の4チームが自動昇格の可能性を残し、6位ジェフユナイテッド千葉(69)は自動昇格の可能性こそ消滅したもののプレーオフに回ることが決定している。7位以下にはシーズン途中に監督交代を強いられた東京ヴェルディ、シーズンを通じて魅力的な組織サッカーを構築したファジアーノ岡山、さらに昨季のJ2で旋風を巻き起こしたギラヴァンツ北九州と続くが、いずれも「プレーオフ圏内」というノルマを果たすことはできなかった。
果たして、大きな注目を集めているのは残り1つの自動昇格枠を争う最終節の動向よりもむしろ、その後に控えている昇格プレーオフである。
プレーオフのレギュレーションは次のとおりだ。