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大統領はグアルディオラ?
カタルーニャ独立の熱気。
~カンプノウで起きた政治活動~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byGetty Images

posted2012/11/06 06:00

大統領はグアルディオラ?カタルーニャ独立の熱気。~カンプノウで起きた政治活動~<Number Web> photograph by Getty Images

「150万人が参加」と報じられた9月11日のデモで、EUに向けて独立をアピールする女性。

 スペインのカタルーニャ州で独立の機運が高まっている。

 10月7日にバルセロナの本拠地カンプノウで行なわれたクラシコではスタンドに大きなカタルーニャ州旗が掲げられ、「独立」というフレーズが書かれたポスターや、『Europe,Catalonia is a new State(欧州よ、カタルーニャは新たな国家)』と英語でEUに呼びかける横断幕が溢れた。試合はメッシとロナウドという両エースがそれぞれ2得点を決める派手な内容だったが、この日の主役はむしろ独立運動だったといってもいい。

 政治とスポーツは分けて考えるべきとの声もある。だがバルサの選手や関係者の中にも独立を望む人が多く、その筆頭が前監督のペップ・グアルディオラだ。

 9月にバルセロナ市内で行なわれたディアーダ(カタルーニャ州の祝日)の大規模デモには、グアルディオラが滞在する米国からビデオレターで参加。カメラの前で独立を意味する緑色のカードを掲げ、「ニューヨークから。ここにも(独立への)一票があります」とメッセージを送っている。デモが行なわれた広場の大画面に、バルサファンにとってのカリスマであるグアルディオラの姿が現れると、周囲からは大歓声が沸いた。

現役時代から独立派のグアルディオラに、新国家の夢を託して。

 グアルディオラは現役時代や監督をしていた頃にも、「カタルーニャは国家だ」と発言するなど、独立派であることを隠すことはなかった。米国で行なわれた独立のイベントにも参加したという。

 彼のメッセージがバルセロニスタの独立心に触れたのか、今季のカンプノウのスタンドには独立を訴えるファンが目立ち、スタジアム内での政治活動がこれまでよりも盛んになっている。

 そんな中、スペインのカタルーニャ州議会は、分離独立の是非を問う住民投票の実施を、中央政府の反対を押し切り決定。世論調査では住民の半数以上が独立を望んでいるとされている。

 9月のデモでは、『ペップ・グアルディオラを初のカタルーニャ大統領に』との横断幕をもって行進する団体もいた。スペイン経済の先行きは依然不透明で、25歳以下の失業率は52%にも及んでいる。バルセロニスタは我がチームを率いたカリスマが、強烈なリーダーシップで新国家を率いる姿を想像し、過酷な現実から逃れようとしているのかもしれない。

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