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栄光の時代も今や昔?
ミランの悲しき現状。
~スター不在、閑古鳥が鳴く客席~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byAP/AFLO

posted2012/09/29 08:00

栄光の時代も今や昔?ミランの悲しき現状。~スター不在、閑古鳥が鳴く客席~<Number Web> photograph by AP/AFLO

5月のインザーギらの退団セレモニー。ファンに愛された多くの名選手がミランを去った。

 イタリアを代表するスタジアムと言われてきたのが、ミランとインテルがホームスタジアムとするミラノのサンシーロだ。

 かつては鮮やかな発煙筒のスモークが満員の客席を覆い、イタリア独特の雰囲気を醸し出していたが、近年はそんな熱気が消え去りつつある。

 今季特に目立つのが、ミラン戦の観客数の低迷だ。セリエA開幕からホームで連敗という最悪のスタートを切ったミラン。ホーム2連敗は80年以上も起こっていなかっただけにファンはショックを隠しきれないが、そんな成績よりも悲観されるのが伸びない年間パス購入者数だ。

 今季の年間パス保有者数は2万3618人(9月15日時点)と、ベルルスコーニがオーナーになって以降、最低に。昨季と比べても7500人以上減少しており、CLアンデルレヒト戦の入場者数は約2万7000人と、8万人収容のサンシーロは空席が目立つばかりだった。

 ミラニスタの“サンシーロ離れ”の理由としては、イタリアを襲う不況や、賭博など不正行為の影響が挙げられているが、最大の理由はミランそのものに魅力がなくなったからだろう。

選手の士気低下を象徴するかのような、カッサーノのインテル移籍。

 かつてはファンバステン、フリットらに始まり、バッジョやルイ・コスタ、カカら、常に世界の有名選手を獲得し、CLでも優勝候補の常連だった。ファンは彼らのプレーを見るためにサンシーロへと駆けつけた。ボージャンやデヨングの獲得は、そんな目の肥えたファンを満足させるものではない。

 主将のアンブロジーニが「ミランは変わった。昔は才能ある選手たちがいて、彼らが試合を決めてくれたもの。でも今はそうじゃない」と話すように、サポーターだけでなく選手の士気低下も避けられない。今夏インテルへ移籍したカッサーノのように、選手から移籍を志願するという流れは今後も続くだろう。

 首脳陣は経営面ばかりを気にするが、ファンを惹き付けるチームを作りスタジアムを埋めることは、ミランのような人気クラブの使命でもあるはずだ。

 スターのいないチームと、ガラガラの客席。もはや「ビッグクラブ」とは言えないミランの姿を、その栄光を目にしてきたサンシーロはどんな思いで見ているのだろうか。

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