視野が広がり、落ち着いてプレーするようになった扇原。

　Jリーグでの山口は、その課題を克服しつつあることを結果で証明している。

　五輪明けの磐田戦で豪快なミドルシュートを決めると、つづく横浜FM戦では右サイドからカットインしてゴール左隅に突き刺すゴールを決めた。どちらも抑えの利いた、弾道鋭い迫力あるゴールだった。山口の連発は、ロンドン五輪での刺激がいかに大きかったかという証左でもあろう。

　山口と共にボランチでコンビを組んだ扇原貴宏（セレッソ大阪）もロンドン五輪後、腰の据わった安定したプレーを見せている。

　磐田戦ではFKでゴールを決めていたが、一番の違いは非常に落ち着いてプレーしているということだろう。

　メキシコ戦後、自らのミスで決勝点を奪われたことについて扇原は「あの時、1人目は分かったけど、2人目が来ていたのは分からなかった。技術を高めるのも大事ですが、視野の広さというか状況判断をしっかり出来ないと、この世界じゃ戦えないと分かった」と語っていた。この2試合での落ちついたボールさばきを見ていると、ロンドンでの教訓が活かされていることが見て取れる。

吉田麻也と大津祐樹には、複数チームから獲得オファーが！

　彼ら4人だけではなく、DF陣をリードし、守備能力の高さを見せた吉田麻也（VVVフェンロ）には、複数の獲得オファーが届いており、現在、交渉中だ。

　日本で最多の3ゴールを決めた大津祐樹（ボルシアMG）にもセルティックなどいくつかのクラブが興味を持っているようで、この数日内に決まる可能性もある。

　ロンドン五輪からわずか2週間ほどが過ぎたばかりだが、大会で活躍した選手たちのプレーには大きな変化が見られ、その環境までもがガラリと変わろうとしている。

　それは、いったいなぜなのか。

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