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ミラクルか、円熟か――。
最近のタイガーに思うこと。
~過去の自分のゴルフとは決別!?~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2012/08/03 06:00

全英オープン4日間でのティーショット平均飛距離は276.4ヤード。83選手中74位だった。

全英オープン4日間でのティーショット平均飛距離は276.4ヤード。83選手中74位だった。

 今年の4大メジャーも、マスターズ、全米オープン、全英オープンと3大会が終わった。その中で特に気になっているのが、タイガー・ウッズのスタイルの変化である。

 今季は米ツアーのアーノルド・パーマー招待で優勝して以来、全英までに3勝しているが、メジャーでは'08年全米オープン以来約4年間、無冠が続いている。

 4月のマスターズは40位タイ、6月の全米は2日目まで周到なゲームプランで首位タイで折り返したものの、3日目に崩れて21位タイ。

 そして7月の全英では3日目まで首位と5打差の4位と優勝を狙える位置にいたが、最終日6番ホールでのトリプルボギーが響いて、3アンダーの3位タイに留まった。

 最近のタイガーを見ていて思うのは、“堅実なゲームプラン”だ。全英での4日間を通してティーショットのドライバーは数回で、ほとんどはアイアンで攻めていた。

 206個ある手強いバンカーを徹底的に避け、グリーンを狙うショットも無謀な賭けはしない。

 頭脳プレーと忍耐力をフルに活用したプレーは、一見するとクレバーで誰もが称賛し得るゲームマネジメントだといえる。

新旧の“自分”の狭間にいるタイガー・ウッズ。

 でも、と思う。

 タイガーの本来の魅力は、ピンチの際に信じられない場所から奇跡的な一打を放って、流れを自分に引きよせる動物的本能と技量の融合ではなかったか。今のタイガーの攻め方は優等生に徹しているように見えてしまう。

 ふと感じるのは、彼は過去の自分のゴルフと決別して、スマートさを求めているのではないかということである。別の表現をすれば、ミラクルなショットで挽回するスクランブルゴルフではなく、ワンランク上の円熟の領域で格好よく勝ちたい、それが今年37歳となるタイガー・ウッズの“新しい”ゴルフだと印象づけたいのかもしれない。

 その考えは、確かに一理ある。

 だが、やはり闘争心にあふれ、内から湧き上がる本能で攻め抜くタイガー本来のゴルフにも魅力を感じる。

 今のタイガーは、新旧の“自分”の狭間にいるような気がしてならない。

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