フットボール“新語録”BACK NUMBER
ウッチーはメンタルが人一倍強い?
乾とテセが語る“気持ち”の扱い方。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2012/07/31 10:31
チームメイトと並んで笑顔を見せる内田篤人。クラブのフォトセッションでのひとコマ。他の選手に好かれるのもメンタルが安定しているからだろうか。
「気持ちを見せるやつは、弱さを隠している」(テセ)。
一方、テセはこう語った。
「僕の課題はメンタル。精神的に上がりすぎたり、下がりすぎたりせず、一定にすることです。下がっているときがあるようには見えないかもしれませんが、それは見せないようにしているから。気持ちが入りやすい選手は、気持ちが落ちやすいんですよ。僕はそれ。今季の目標は、ゴールを決めても、ハットトリックをしても、平常心を保つこと。負けても不動心。あと、自分を責めすぎない。自分を責めてもいいことないんでね」
テセは内田篤人を例にあげて話を続けた。
「実は淡々とやってる人の方が、メンタルは強いんですよ。だからウッチーは、めちゃくちゃメンタルが強い。『適当にやってます』みたいな感じで、やる気がなさそうに見えるじゃないですか。でも、ウッチーのプレーは、すごくコンスタントですよね。僕を含めて、気持ちを見せるやつは、自分の弱さを隠していることが多いんです」
無の状態を手に入れようとする乾と、気持ちの揺らぎをなくすことを心がけるテセと、それぞれ表現こそ異なるが、メンタルを自在にコントロールするという点では、目指すものは同じだろう。
テクニックやフィジカルだけでなく、メンタルを扱う技術がどう成長するかも、欧州組の見所のひとつであることをあらためて気づかされた。