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Rソックス再建の道険し。
バレンタインの憂鬱。
~ボビーマジック、通用せず!?~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2012/07/23 06:00

Rソックス再建の道険し。バレンタインの憂鬱。~ボビーマジック、通用せず!?~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

メジャーの監督を務めるのは10年ぶり。2000年にはメッツをWシリーズに導いている。

 突然の大きな物音に、報道陣は一瞬、何が起こったのか理解できなかった。7月3日のアスレチックス戦後、レッドソックスのボビー・バレンタイン監督が、執拗な質問に嫌気が差したのか、机に拳をたたきつけて会見を打ち切ったのだ。試合前にはユニホームのズボンのチャックが開いたまま囲み取材が進むなど、普段のダンディな姿からは想像できないほど、蓄積した疲労感は色濃かった。しかも、試合は逆転サヨナラ負け。百戦錬磨の策士が、ここまで露骨にいら立ちを見せたことは過去になかった。

 昨年12月の就任会見では、笑顔を振りまき、歯切れのいい口調で抱負を語った。

「選手と十分にコミュニケーションを取ってチャンピオンを作り上げたい」

 昨季後半、大失速してプレーオフ進出を逃したこともあり、“レッドソックス・ネーション”再建の切り札として一気に注目を集めた。

主軸の相次ぐ故障離脱と不協和音……。チームに漂う嫌なムード。

 ところが、新監督の構想は、開幕当初からことごとく崩壊する。クローザーのベイリーをはじめ、主軸のクロフォード、エルスベリーらが次々に故障で離脱し、戦力再編を余儀なくされた。実際、開幕3連敗とつまずき、5月上旬までに2度の5連敗。不安は的中した。

 4月中旬には、地元テレビ番組で、不振続きのユーキリスを「試合に気持ちが入っていない」と批判したことで不協和音が生じた。バレンタイン監督が謝罪したことで騒動は収まったが、6月下旬にはユーキリスをホワイトソックスへ放出。現場トップの強硬な姿勢を浮き彫りにする結末だった。

 また、エースのベケットが背筋痛で登板回避した2日前にゴルフをしていた事実が明らかになり、メディアから強烈にバッシングされるなど、チーム全体が試合に集中できる状態には程遠かった。その後、6月までに勝率5割に復帰したものの、不安定な戦いぶりは変わっていない。

 奇しくも、この日の会見では、右ヒジ手術から復帰後、右僧帽筋痛で再び故障者リスト入りした松坂大輔についても、「球宴休みもあるし、ちょうどいい時間になるはずだ」と言及した。

 しかし、後半戦へ向けて、もっとも休養を必要としていたのは、ほかでもない、バレンタイン監督自身かもしれない。

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