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投打に充実の大阪桐蔭、
春夏連覇に死角はあるか。
~浪速のダル&おかわり君2世~ 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2012/07/20 06:00

(左から)大阪大会に挑む大阪桐蔭の4番・田端良基、エースの藤浪晋太郎、主将の水本弦。

(左から)大阪大会に挑む大阪桐蔭の4番・田端良基、エースの藤浪晋太郎、主将の水本弦。

 今夏、高校野球ファン最大の関心事と言えば、大阪桐蔭の春夏連覇が達成されるかどうかだろう。

 当たり前のことだが、選抜大会優勝校は必ず春に誕生するので、夏には毎回春夏連覇が話題になっていいはずだが、そうはならない。誰もが認める強豪校で、誰もが認める大エースがいて、初めて春夏連覇の可能性が話題になるのである。

 大阪桐蔭の大エースは言わずと知れた藤浪晋太郎。今春の選抜優勝以前、藤浪の評価は「球は速いが勝負どころで力を発揮できない未完の大器」と、大谷翔平(花巻東)ほど高くなかった。

 それが、1回戦の花巻東戦で大谷にスライダーを右中間に放り込まれて以降、ピッチングががらりと変わった。

 目を見張ったのが、120km台中盤で大きく横変化するスライダーと135~140kmのカットボールを交えた攻め。ストレートは150kmを計測しても合わされることが多いが、ストレートの軌道から打者近くで変化するカットボールを攻略するのは至難の業だ。

変化球を多投しながらも、力で抑え込めるエース藤浪のオーラ。

 とくに見応えがあったのが準々決勝の浦和学院戦と最少失点に抑えた準決勝の健大高崎戦で、変化球を多投しながら力で圧倒するピッチングからは“浪速のダルビッシュ”のオーラが出まくっていた。

 選抜後の春季大阪大会は全休したが、近畿大会は3試合中2試合に登板し、無失点に抑えている。夏の大阪大会前に行なわれた練習試合でもストレートが150kmを計測し、5回を投げて無安打、10奪三振と好調を維持している。

 この藤浪をアシストする女房役、森友哉の持ち味は強肩。選抜の準決勝で対戦した健大高崎は“機動破壊”の異名を持つ走塁に特徴があり、2回表にはヒットで出塁した神戸和貴が早速二盗を試みるが、森は電光石火の二塁送球で見事刺殺した。

 刺されても執拗な足攻を仕掛けるのが健大高崎の持ち味だが、この二盗失敗のあと一回も盗塁を仕掛けてこなかった。森の強肩が機動破壊を上回ったのである。

 森以外の野手では、選抜の花巻東戦で右手首を骨折した4番・田端良基が帰ってくる。大谷のスライダーをレフトスタンドに放り込んだパワーに付けられた異名は“おかわり君2世”。投打の主力が揃った今夏、大阪桐蔭に死角はない。

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