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<Qちゃんが山の神に個人指導> 高橋尚子×柏原竜二 「マラソンを走るヒント、教えます」 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byKosuke Mae

posted2012/03/15 06:00

<Qちゃんが山の神に個人指導> 高橋尚子×柏原竜二 「マラソンを走るヒント、教えます」<Number Web> photograph by Kosuke Mae
箱根駅伝の舞台で4年間、主役を演じ続けた“山の神”は、
卒業後、マラソンへ挑戦して世界を目指すと宣言した。
でも、今はまだその魅力も怖さも知らないマラソン1年生。
そんな箱根のスターに、42.195kmを走るための心構えを
教えてくれるのは、シドニーで世界の頂点に立ったQちゃんだ!

Number Webでは、3月15日(木)発売の雑誌Number Do『RUNの学校。~ランニングが楽しくなる方法、教えます~』より、10ページにわたる対話のレッスンの一部を特別公開します。

 箱根駅伝史上、最大のスターともいえる「山の神」、柏原竜二がいよいよ卒業の時を迎える。4月からは富士通の新入社員。入社が決まった昨年の段階から、更なる高みを目指すことを口にしていた。

「実業団に入ったら、マラソンに挑戦したいと思っています」

Ryuji Kashiwabara
1989年7月13日、福島県生まれ。いわき総合高出身。東洋大のエースとして箱根駅伝5区で4年連続区間賞を獲得。1万m自己ベストは28分20秒99。今春から富士通へ。173cm、54kg

 この言葉を待っていた。

 昨今、実業団でも駅伝が長距離界の話題の中心となり、オリンピック選考レースではかつての箱根のスターが上位に食い込むことは稀になってしまった。事実、ロンドンの選考レースでは、企業に属していない川内優輝、藤原新が日本人最上位を占めてきた。

 箱根のスターが、マラソンで成功できるのか――。柏原のマラソンデビュー戦が今から楽しみだが、今はまだぴかぴかの「マラソン1年生」。新しい環境で走り始める前に、いかにしてマラソンの準備をしていくべきか、先達の言葉をうかがうことになった。

 先達とは、シドニー・オリンピックの金メダリスト、高橋尚子さんだ。

高橋尚子がシドニーで金メダルをとった頃、柏原竜二は……。

高橋   箱根駅伝優勝、おめでとう! 注目を浴びたなかで結果を残したのは、本当にすごいことだね。今日はじっくり話できるので、楽しみにしていたんです。

柏原   いえ、こちらこそ。陸上を見始めるようになってから、日本には高橋尚子さんってすごい人がいるんだ、とずっと思っていたんです。だから、こういう機会をいただけて幸せですし、走っていてよかったな、と。

――高橋さんがシドニーで金メダルを取った時、柏原選手は何歳でしたか?

柏原   たしか、小学校5年生でした。

高橋   よかった、生まれてて(笑)。

柏原   しっかりと記憶にあります。

高橋   じゃあ、マラソンの話しを始める前に、まず大学のことを質問しますね。4年間、ずっと活躍してきた印象があるけど、どんなことを学びましたか。

柏原   いちばん勉強になったのは3年生の時でした。なかなか調子が上がらず、精神的にもキツい1年だったんですが、そのおかげで今はちょっと調子悪くても大丈夫だな、と思えるくらいになったんです。

【次ページ】 小出監督が高橋に毎日かけつづけた言葉。

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