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感情を表に出すだけが「闘志」なの?
内田篤人の特殊事情と復活の可能性。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2012/01/21 08:01

感情を表に出すだけが「闘志」なの?内田篤人の特殊事情と復活の可能性。<Number Web> photograph by Getty Images

今季リーグ前半戦、シャルケは3位と好調だったが、内田自身は5試合の出場にとどまった

 内田篤人は岐路に立っている。

 昨シーズンのような絶対的なレギュラーではなくなってしまった。リーグ前半戦17試合のうち、5試合だけの出場。前半戦最後の2試合では、ベンチ入りメンバーからも外れた。

 9月にはステフェンス監督が就任した当日に、右足太ももの肉離れを起こしてしまい、1カ月近く戦列を離れることになった。苦しい現状を招いたきっかけは、その怪我から復帰したあとにあった。

 11月19日のニュルンベルク戦でおよそ2カ月ぶりにリーグ戦に出場した翌週のこと。

 直後に控えるドルトムントとのレビアー・ダービーに向けての紅白戦が行なわれていた。内田も、主力組の右サイドバックとしてプレーしていた。その日、見られたのはあまりに衝撃的な光景だった。

紅白戦でステフェンス監督が内田に激昂するという異常な光景。

 内田のすぐそばでボールがサイドラインを割った。ステフェンス監督が怒鳴りつける。

「なぜ、ボールを拾いにいかない?」

 対面したサブ組の左サイドバック、エスクデロを倒した内田が、手をさし出すと、ステフェンス監督が声を荒らげた。

「そんな必要はない!」

 さらに、オーバーラップした内田がクロスをあげる。ファーサイドのラウールには届かず、キーパーにキャッチされてしまった。悔しさから、天を仰ぐ。すると、181cmのステフェンス監督はピッチに入っていき、内田に近づき、上から怒鳴りつけた。

「ヘイ、ウッシー!」

 マフィアが恫喝しているかのような光景だった。見ている者まで震え上がらせるほどの凄みがあった。

 その2日後に行なわれたダービーで、シャルケは0対2で敗れてしまう。内田はこれ以降、年内のリーグ戦で出場する機会を与えられなかった。

【次ページ】 内田に対してなぜ指揮官は怒りを露わにしたのか?

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