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来季でメジャー10年目、
松井秀喜はどこへ行く?
~アスレチックス残留も微妙か~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2011/12/22 06:00

来季でメジャー10年目、松井秀喜はどこへ行く?~アスレチックス残留も微妙か~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 その期間、各球団GMの口から、「松井秀喜」の名前が聞こえてくることはなかった。

 ワールドシリーズ終了後、動きの鈍かったFA市場が、12月5日からテキサス州ダラスで行なわれたウインター・ミーティングを境に、一気に動きはじめた。新生マーリンズが遊撃レイエスをはじめ次々に大物を獲得したのに対し、エンゼルスは大砲プホルス、左腕ウィルソンと大型契約を結んだ。日本人ではダルビッシュ、中島、青木がポスティング申請を行なうなど話題を集める一方で、アスレチックスからFAとなった松井の話題は、影を潜めていた。

 来季でメジャー10年目。ヤンキース時代は打点を稼ぐ中軸として活躍し、'09年のワールドシリーズでMVPに輝いたとはいえ、その後、エンゼルス、アスレチックスと渡り歩いた過去2年間は、決して満足のいくシーズンではなかった。特に、今季のシーズン序盤は、スタメンから外れることも多く、その結果、極度の打撃不振に陥った。それでも、ゲレン前監督の解任に伴い、後任のメルビン監督代行がベテラン松井を重用。首脳陣の信頼感を得たことで、息を吹き返したかのように打ち始め、DH兼外野手として毎試合出場できる立場を確保した。

優勝争いできなければ、アスレチックスにこだわる理由もない。

「メルビン監督は人間的にもすばらしい人ですし、いいコミュニケーションができていると思います」

 松井自身、来季以降の身の振り方を積極的に語ることはない。ただ、常に「引退」の2文字と背中合わせである以上、新天地で新たに定位置争いをするリスクも高い。公式戦終了後には、自宅のあるニューヨークのすし店、イタリアンレストランでメルビン監督と2回にわたって食事をするなど、残留へ向けた話し合いを行なった。それほど同監督との関係は良好なだけに、残留への躊躇はない。

 もっとも、サンノゼへの本拠地移転問題を抱えているアスレチックスが戦力補強面で停滞している事実が、悩ましい状況であることも否定できない。松井が重視する点は、自らのプレー機会とチームの勝利。優勝争いできなければ、アスレチックスにこだわる理由もない。選手として晩年を迎えた松井にとって、ベストな選択とは何か。'12年6月、38歳となるスラッガーの行く末は、依然として見えてこない。

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