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世界に誇る日本のピッチに
相応しいパススピードを。
~U-20W杯で感じた世界との差~ 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2011/09/14 06:00

世界に誇る日本のピッチに相応しいパススピードを。~U-20W杯で感じた世界との差~<Number Web> photograph by AFLO

 先ごろ、コロンビアで開かれたU-20ワールドカップを取材していて、珍しい出来事に遭遇した。

 ある日の午後、スタジアムが突然の豪雨に見舞われた。雨は数時間にわたって降り続き、メインスタンド下にあるメディアセンターは、なんと床上浸水。ピッチ上も、かなりの水が浮いた。雨自体は試合開始予定時刻を前にほぼ上がったものの、ピッチの整備に時間を要したため、結局、キックオフは1時間遅れに。これまで多くのFIFA主催の大会を取材してきたが、こんな経験は初めてである。

 最近は、日本でも「ゲリラ豪雨」がしばしば起こる。だが、J1の試合が行なわれるスタジアムであれば、そのほとんどは少々の雨ではびくともしない。少なくとも、水が浮いてボールが止まるようなことはまずない。今回の珍体験で、世界的に見ても日本の芝がかなり高い水準にあることを、あらためて実感した。

ピッチの質は、日本の選手の技術向上と無関係ではないはず……。

 ところが、優れた環境が、ときにあだとなる場合もある。一度海外に出れば、当然、芝状態の悪いピッチで試合をしなければならないこともあるわけだが、得てして日本の選手はナーバスになりがちだ。荒れた芝に手を焼くことが多い。

 そんなときは、つい「日本は恵まれすぎ。もっと荒れたピッチで練習したほうがいいんじゃないか」などと悪態のひとつもつきたくなるが、これはいかにも暴論というものだろう。

 正確な技術を身につけるには、やはりピッチ状態がいいに越したことはない。Jリーグ誕生以降、日本に芝のピッチが増え、しかもそのコンディションがよくなっていることは、日本の選手の技術向上と無関係ではないはずだ。

 とはいえ、イレギュラーの心配もなく、思う存分ボールを走らせられるピッチで日常的にプレーしている割には、なかなか改善が見られないものもある。

 それが、パススピードだ。

 U-20ワールドカップを例にとっても、パススピードにおける日本と世界の違いは歴然。特にフランスやスペインなどを見ていると、日本の多くのチームがパスサッカーを標榜しているという事実に、恥ずかしささえ覚えてしまう。

 せっかく日本には、世界に誇れるピッチがある。ならば、パスもそれに相応しいスピードで回したい。

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