その屈辱は、やがて成長の大事な糧となる……。

　日大三打線に集中打を浴びた日本文理2年の2枚看板、波多野と田村も、再起を誓った。

「甘い球を見逃さない。コースをついていったつもりがカウントを悪くし、ストライクを取りにいって打たれる。投げるところがなかったですね。今回学んだことは、強い気持ちを持つということ。攻めていかないといけないと思った」（波多野）

「スライダーを低目に集めて、打たせてとろうと思った。スライダーを見極められ、ストレートを狙い打たれた。ストレートのスピードも含めて、鍛え直さないと通用しないと思った。波多野とはいいライバルでいい仲間なので、波多野と一緒に切磋琢磨して、全国制覇できる力をつけて帰って来たい」（田村）

　1年生から活躍し、3年間活躍するのも理想だろうが、大舞台だからこそ経験できる屈辱を受けたことは彼らの高校野球人生にとっては、決してマイナスではない。この悔しさこそが彼らを強くする。

　下級生時に多くの経験をした選手たちは、かつての雪辱を胸に、これからの戦いに挑んでくるだろう。また、現在の下級生の選手たちも、成長過程の中で、思い切ったプレーを見せてくれるはずだ。

　下級生にとっての甲子園、まだまだドラマが詰まっていそうだ。