今こそモータースポーツBACK NUMBER

ライコネンはどこへ行く? 

text by

西山平夫

西山平夫Hirao Nishiyama

PROFILE

photograph byMamoru Atsuta(CHRONO GRAPHICS)

posted2006/04/25 00:00

ライコネンはどこへ行く?<Number Web> photograph by Mamoru Atsuta(CHRONO GRAPHICS)

 開幕第3戦オーストラリアから3週間のインターバルを置いて、F1もいよいよヨーロッパ・ラウンドに突入。4月23日、サンマリノ・グランプリがその口切りである。

 レースそのものの展開も気にはなるが、ここへ来て早くも話題になっているのがストーブリーグの行方。なにやら大物に動きが出て来た気配がする。

 アロンソが昨年中に早々と2007年からのマクラーレン移籍を発表したが、その後アロンソ以外に大物の動きはなし。特にシューマッハー、ライコネンの去就が見えなかった。

 だが、ここに来てシューマッハーがどうやら2008年までフェラーリに留まりそうだという情報が流れて来た。いまシューマッハーの契約金は斯界随一の年間50億円。しかし来年からの2年間は年間60億円という。世界を見渡してもこれだけの大金を払える“大旦那”はマルボロ(フィリップモリス)しか考えられず、そこから考えてもシューマッハーを雇えるのはフェラーリしかあるまい、という推測なのだ。

 では、ライコネンはどうなるのか?仮にシューマッハーがフェラーリに留まるならば、ライコネン移籍の余地は財政面から考えてまずない。シューマッハーの年間60億円の契約金を出し、しかもシューマッハーよりは小額とはいえライコネンの契約金を用意するなど財政面で無理なのは自明の理である。どんなスーパーチームを創出しようと、チャンピオンには一人しかなれないからだ。

 フェラーリからライコネンにオファーがあったのは事実で、その最終通達リミットは今年6月と言われていた。ライコネンはそれを待っていればよかったわけだが、しかしシューマッハーが留まることが確実なら、フェラーリからライコネンへの「お断り」はもっと早くなるかもしれない。

 では、ライコネンの来季は?マクラーレンに留まるだろうか?そうライコネンが望めばアロンソとの“2枚のエース”の可能性はなくもないが、アロンソと組むとは到底思えない。だいいちチャンピオンとノンタイトル・ドライバーでは契約金が違う。アロンソよりも少ない契約金でライコネンがマクラーレンに留まる理由はほとんどない。それにマクラーレンのたび重なるメカニカル・トラブルやそれに起因するビッグアクシデントに辟易していると言われ、今季開幕戦バーレーン第1予選でのクラッシュ直後にマクラーレン離脱を決意したとのまことしやかな噂もある。

 そうこう考えると、ライコネンの新天地はただひとつ、ルノーしかない。結果的にはアロンソとのスワップである。ルノーはいまF1活動の継続を前向きに検討している。であればライコネン級の“勝てる”ドライバーが必要だ。シューマッハー残留、アロンソとライコネンの交換なら三方丸く収まるではないか。もっともルノーは2006年いっぱいでJT(日本たばこ)のスポンサー契約満了となるから、それに変る大口スポンサーの開拓が急務だが。

 さて、仮にトップチームのナンバーワンがそうなったとしてもナンバーツーが誰になるかはまだまだ流動的だ。モントーヤはアロンソと組むことを潔しとせず、マクラーレンを出ることを考えているという。再就職先としてクルサードが離脱するレッドブルの名前が挙がっていたが、チームアドバイザーのG・ベルガーがモントーヤ獲得に難色を示しているともいい、コロンビアの異星人は先行き不透明。ひょっとしたらIRLとCARTの統合が図られているアメリカン・レーシングへ復帰するのでは?なる話も聞こえて来る。

 F1水面下の戦いもいよいよ熱を帯びて来たようだ。

ページトップ