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「seventeen」に甘えない。
全米プロ選手権で見せた石川の矜持。 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2009/08/23 08:00

「seventeen」に甘えない。全米プロ選手権で見せた石川の矜持。<Number Web> photograph by Getty Images

日本のコース脇とまったく同じ風景が全米プロでも見られた。日本のゴルフ王子“Ryo”の人気も国際的?

「あいつは何歳なんだ?」

「17歳だよ」

「そりゃあ、すごいな」

 一緒にプレーした選手の話やその姿を見たギャラリーの会話からは、必ずと言っていいほど「seventeen」という単語が聞こえてきた。

「17歳」を言い訳にしない石川ににじむプライド。

 石川遼は今季メジャー最終戦となる全米プロ選手権に出場した。大会史上最年少の17歳とあって、大会発表や海外メディアで紹介される時にも「seventeen」の一語が離れることはなかった。

 しかし、客観的な事実とはいえ、年齢のカテゴリーなどないプロの世界にあっては「17歳」の響きにどこか甘さを感じさせるものがあることも確かだ。

「年齢のことで周りが驚くことをうれしいと思ったこともないし、逆にイヤだと思ったこともない」と言うが、若さを理由にミスや技術不足に対しても寛容に受け止められることはきっぱりと拒否した。

「あのミスは17歳だからしょうがない、とは思われたくない。17歳としてじゃなくて、プロゴルファーとしてどうなのかっていうのを今は求められないといけない。それをこっちのギャラリーにも見てほしい」

 甘えを許さない厳しい態度にはプロとしての矜恃がにじんだ。海外に限らず、どんな時でも若さを言い訳にはしてこなかったからこそ、ここまでの急成長があったとも言えるのだ。

「日本のほうが17歳で勝った、17歳で優勝争いをしたと特別に見るんじゃなくて、1人のプロゴルファーとして見られている感じがする。だから今はすごく日本ツアーの居心地がいいし、毎週ツアーに出るのがすごく楽しみです」

 すでに通算4勝を挙げている日本ツアーにおいては石川の活躍はもはや驚きではない。ことさらに年齢がクローズアップされることもなくなった。それは15歳にして大きな脚光を浴びた石川が、地道な努力を続けて勝ち取った権利である。

プレーそのもので「Ryo Ishikawa」の名を浸透させるべく。

 マスターズ、全英オープンに続く3度目のメジャー挑戦となった全米プロでは、メジャーで初めての予選通過を果たして56位に入った。最終日には世界ランク2位のフィル・ミケルソンと同組でプレーし、たくさんの米国人ギャラリーを引き連れた中で派手なチップインバーディーも決めた。年齢など考えさせることもない単純に凄いプレーでファンを沸かせ、ラウンドが進むにつれて少しずつ声援を勝ち取っていった。

 これからもギャラリーが興味をもつきっかけは年齢にあるのかもしれないが、こうした日々を積み重ねていくことこそが、日本からきたティーンエイジャーがRyo Ishikawaとして認知されていく道である。

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