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フィオレンティーナの復活。
CLでイタリア健在の雄叫びを上げる。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2010/01/23 08:00

フィオレンティーナの復活。CLでイタリア健在の雄叫びを上げる。<Number Web> photograph by Getty Images

古豪フィオレンティーナが復活。チームを牽引するのは、ムトゥとジラルディーノだ

来季を見据えた補強は着々。中国との提携も。

 後半戦を見すえた1月の移籍市場では、ムトゥにカタール行きの噂もあった。だが、クラブは雑音を遮断し、むしろ精力的に動いた。マンUとの争奪戦の末、パルチザン・ベオグラードから次世代の有望MFリャイッチを獲得するなど、補強に余念がない。現在は足首の故障で戦列を離れているが、“Jo-Jo”の愛称で親しまれ、すっかりアイドルとなったヨベティッチを筆頭に、次世代を担うタレントも着々と集められている。20節終了時点でのセリエA7位という成績は、抱える選手層の質からいって、もっと上を狙えて然り。来季CL予選出場枠の4位奪取が後半戦の国内目標だ。

 また一方で中期的戦略からフィオレンティーナは、クラブ運営のノウハウ獲得を望む中国とも接近している。昨今、イタリア・カルチョ界は中国と結びつきを強めているが、フィオレンティーナは重慶地方政府と提携し、チームマネージャーやコーチの協同育成プロジェクトを手がけている。今年に入ってすでにコーチ陣を送り込むなど、ヴィオラは水面下でダイナミックに動いているのだ。

 さしあたって迫る、2月の決勝トーナメント1回戦の相手はバイエルン・ミュンヘン。昨季グループリーグで煮え湯を飲まされたことを、指揮官や選手はもちろん、フィレンツェの人々も忘れてはいない。とかくシニカルかつ冷淡なことで知られるフィレンツェ市民だが、“今季こそは”と今からリベンジに燃えているのだ。

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