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破綻した怪人と大物後継者。
~絶不調リバプール、ベニテス監督の”次”は誰?~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2010/01/22 10:30

破綻した怪人と大物後継者。~絶不調リバプール、ベニテス監督の”次”は誰?~<Number Web> photograph by Getty Images

FAカップ敗退が決まった翌々日の1月15日には、ファンに対する謝罪文を自ら読み上げた

 怪人ラファエル・ベニテスの首が危ない。就任7年目。以前からとかくの噂はあったが、今度こそは風前の灯だ。

 なにしろ、率いる名門リバプールの成績が悪すぎる。'09/'10チャンピオンズリーグでは、グループリーグの段階で早々と姿を消した。プレミアリーグでは、首位チェルシーから12ポイント差の7位に低迷している。FAカップでも、格下のレディングにあっけなく敗れ去ってしまった。振り返ると、このところ20戦で10敗。あまり使いたくはないのだが、惨状という言葉が浮かぶのは致し方ない。

シャビ・アロンソの“売却”でベニテスの命運は尽きたか。

 もちろん、主力に負傷者が続出したという不運は見落とすことができない。ジェラード、トーレス、ジョンソンといった飛車角級の駒が抜け落ちては、まともなゲームの組み立てもできないだろう。

 が、病根はそこにとどまらない。これはよくない、と私が感じたのは「功労者」シャビ・アロンソを、'09年の夏にレアル・マドリーへ売り飛ばしてしまったことだ。移籍金は3000万ポンドと高かったが、得た金は有効に使われなかった。

 こういう動きがあると、流れは悪いほうに傾く。そもそも、火種は'08年の夏に生まれていた。'07年にトーレス、ベナユン、バベルといった新戦力を補強しながら成績が上がらず、後任にクリンスマンの名がささやかれたときのことだ。結局、そのときはクリンスマンがバイエルンの監督に就任して嵐が収まった。が、これ以後、ベニテスと新たなクラブ経営陣(ふたりのアメリカ人)との呼吸はぎくしゃくしはじめる。

シーズン終了を待たずして取りざたされる後継監督の名前。

 ご承知のとおり、ベニテスは'08/'09シーズンのプレミアリーグでめざましい復権を見せた。とくにシーズン終盤、スリリングなハイスコア・ゲームを何度か展開し、首位マンチェスター・ユナイテッドに4ポイント差まで肉薄した戦いぶりには眼をみはらせるものがあった。

 が、いまにして思うと、あれは短くなった蝋燭の最後の炎だったようだ。今度という今度は、'05年5月、チャンピオンズリーグの決勝でミランを大逆転したときのような奇跡は起こりそうもない。後継者の名もすでにいくつか挙がっている。ヒディンク、ダルグリッシュ、オニール、さらにはモウリーニョ、ライカールト、クリンスマンといった錚々たるビッグネームのオンパレードだ。

<次ページに続く>

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