プロ野球偏愛月報BACK NUMBER

WBCを観るか、センバツを観るか。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

posted2009/02/05 00:00

 日本の野球界はヒエラルキー(ピラミッド的の階層組織)が複数あり、意見を統一できないとよく言われる。

 高校野球は(財)日本高等学校野球連盟(高野連)、大学野球は(財)全日本大学野球連盟、社会人野球は(財)日本野球連盟、プロ野球は(社)日本野球機構が統括し、それぞれ支配を受けずに独立している。それはときには良く作用し、ときには弊害を伴う。たとえば、プロ野球の巨人はドラフト制度を限りなく自由競争に近い形にしたいと思い、大学球界、社会人球界の賛同を得て、逆指名、自由枠、希望枠というものをプロ野球界に取り入れ、有力選手の獲得を容易にしたが(現在は廃棄)、高野連だけは有力選手のプロ球団への一極集中を危ういものと捉え、反対の立場を取ってきた。これはヒエラルキーの乱立がプラスに働いた例だ。

 しかし、こんなことは困る、ということがときとしてある。たとえば日程が重なることだ。

◇高校野球・センバツ甲子園大会          3/21~4/1

◇WBC(ワールドベースボールクラシック)準決勝 3/21、22

                           決勝 3/23

◇高校野球・夏の甲子園大会(選手権)       8/8~8/22

◇社会人野球・都市対抗                8/21~9/1

◇社会人野球・日本選手権              11/12~11/22

◇大学野球・明治神宮大会              11/14~11/18

 センバツを見に兵庫県西宮市に行っていれば深夜に放送されるWBCを見るのが辛く、夏の甲子園大会を見に兵庫県西宮市に行っていれば都市対抗の1、2日目が見られず、明治神宮大会の全日程を見ようとすれば、大阪で行われている日本選手権の1週間分が見られないという有様。

 このくらいの日程は各団体が集まってダブらないように協議すれば何とかなるのではないだろうか。考えたくないが、ドラフト会議の日程次第ではドラフト、明治神宮大会、日本選手権の3つが11月中旬に重なり、日程の調整に四苦八苦する恐れがある。それだけは避けたい。やるのは選手で、日程はその選手を中心に考えるというのは正論だが、1~3日を前後にずらすことがそれほど苦痛であるとはどうしても思えない。今年は無理だが来年以降はファンのことも少しは考えて日程を組んでほしいと思う。

 さてセンバツ大会である。春、夏とも優勝していない都道府県は現在、青森、岩手、秋田、山形、宮城、福島、新潟、山梨、富山、石川、福井、滋賀、鳥取、島根、長崎、宮崎の16あるが、今年はここから優勝校が出現する可能性がある。光星学院(青森)、清峰(長崎)の2校である。光星学院にはスリークォーターの本格派・下沖勇樹が、清峰にはオーバースローの本格派・今村猛が控えている。ともにストレートのMAXは146キロで、合理的な投球フォームと正確なコントロール、さらにキレ味鋭い変化球を持っている。「春は投手力がモノをいう」とは昔から言われてきた定説。今年はその言葉が信憑性を持って伝わってくる。

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