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開幕目前の春のセンバツ、注目は速球派右腕エース。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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posted2009/03/26 17:01

 春と夏に行なわれる甲子園大会の優勝経験がない県は全国に16あり、この中から今春の選抜大会優勝校が出る可能性がある。共に本格派右腕をエースに持つ光星学院(青森)と清峰(長崎)だ。

 昨夏の甲子園出場メンバー18人のうち7人が残った清峰のエース今村猛は、昨年秋の明治神宮大会こそ体調を崩し四国代表の西条に敗れているが、その前に行なわれた九州大会はMAX146キロのストレートと縦割れのスライダーを前面に押し出すピッチングを披露。4試合すべてを1人で投げ抜き、完封2、総失点3という投球内容で九州の頂点に立った。

 光星学院のエース下沖勇樹も迫力では負けていない。昨春の東北大会ではヒジを下げて投げるスリークォーターにありがちな左肩の早い開きが目立った。しかし、明治神宮大会の慶応戦では開きがしっかり抑えられ、チェンジアップ、スライダー、シュートの変化球と、MAX146キロのストレートがキレまくり、スカウトの注目を一身に集めていた。

 明治神宮大会を制した慶応にも白村明弘という超高校級右腕がいる。制球力や変化球の精度では今村、下沖に及ばないが、打者の手元で唸りをあげて伸びる高めストレートの迫力は並ぶ者がいない。

 昨年秋の明治神宮大会を制したことにより、関東地区に「神宮大会枠1」が割り当てられ、宿敵・早稲田実が選抜出場に漕ぎ着けているが、甲子園を舞台にした夢の早慶戦での力投と、1916(大正5)年以来となる甲子園制覇の期待が白村の右腕にはかけられている。

 打者では堂林翔太(中京大中京・投手)、勧野甲輝(PL学園新2年・外野手)、秋山拓巳(西条・投手)の3人が関係者の注目を集め、この中では秋山の怪物的な飛距離がスカウト垂涎の的である。

 優勝争いは慶応を軸に展開し、これに投手力で頭一つ抜け出ている清峰、光星学院、さらに破壊力のある攻撃陣に定評のある鵡川、中京大中京、PL学園、天理、西条の7校が加わって繰り広げられるだろう。

 まるで意図したように北海道、東北、関東、東海、近畿、四国、九州から優勝候補校の名前が出ているが、かつては厳然と存在した地域の差が年々縮小していることを、この顔ぶれから察していただきたい。

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