選手選考に頭を悩ませるほどの実力ある4人がそろった。

　トリノの悲劇を知る団体追い抜き職人・田畑のもとに、スピードの小平、スタミナの穂積、それにマルチな新星・高木が集った。バンクーバーを目前にして、日本女子チームには試合で滑走する3人を選び出すのが大変なほどに、力のある4人がそろったと言える。

　高木は言う。

「私、先頭交替する時が好きなんですよね。コースから無駄に膨らんだりしないで、前に出てくる仲間の後ろに、スッと入ると気持ちいいですね」

　団体追い抜きでは、滑っている3人を前から見て、まるでひとりが滑っているように見えるのが理想だ。4人の呼吸を合わせて、レースではそれを3人が力にしていく。仲間の力をひとつにして滑る時、バンクーバー五輪のメダルは、彼女たちの胸に輝くだろう。