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ボクシングと格闘技の最高級ブランド誕生か? 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byKoji Fuse

posted2007/12/13 00:00

ボクシングと格闘技の最高級ブランド誕生か?<Number Web> photograph by Koji Fuse

 WBC(世界ボクシング評議会)といえば、プロボクシングの最高権威というべき世界王者を認定する組織だ。もっとも最近は時代の流れに応じてスッカリ様変わり。女子ボクシングだけではなく、ムエタイやルチャリブレも認めるようになってきた(ルチャに関していえば、あくまでエンターテイメントとしてであるが)。

 先日、フィリピンで行なわれた第45回年次総会ではムエタイのワークショップも初めて行なわれ、タイ、アメリカ、オーストラリア、ウクライナ、中国の代表らが2時間以上に渡って、熱き論議を繰り広げた。すでにオーストラリアでWBC認定のナショナル王座をプロモートするポン氏はWBC効果を手放しで喜ぶ。

 「もう18年もムエタイの興行を手がけているけど、他のキックの世界組織に比べると信頼性が全然違う。WBCの冠がついていたら、スポンサーもこっちから頼まなくても向こうから来てくれる」

 9月8日、ロサンゼルスでWBCムエタイの世界3大タイトルマッチを開催して大成功を収めたワーナー氏は、来年1月ラスベガスで再びビッグマッチを打つ。

 「いま、UFCで選手がヒジやヒザを使うたびにテレビの解説者は『これはムエタイ流の〜』といった感じで叫んでいる。知らず知らずのうちにUFCがムエタイをアピールしてくれていたんだよ(笑)。おかげでアメリカの会場で本場タイのムエタイ選手が切れ味鋭いヒジやヒザを見せると、観客は敏感に反応する」

 WBCムエタイを取り巻くオーストラリアやアメリカの共通項は、主催者が現地のボクシング関係者ともひじょうに仲がいいことだ。ボクシング側と反目しあうことはないのかと水を向けると、ワーナー氏は言下に否定した。

 「もともとボクシングとムエタイは違うスポーツ。お互いスポーツとして尊重しあっているので偏見はない。逆にアメリカのボクシング評議会の人々は私の興行をサポートしてくれますよ」

 今後、WBCムエタイはイギリス、中国、フィリピンでも興行を打つ予定。これまでJBCがWBCを管轄してきた関係上、この波に日本が乗ることはできないのだろうか。対立する必要はない。他の先進国同様、認め合うことさえできたら、何の問題もないはずなのだが。

■関連コラム► WBCムエタイに随行。ジャマイカの熱い夜。 (2008年7月10日)
► ムエタイの世界標準?WBCの格闘技進出。 (2007年7月26日)

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