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2006→2007。格闘技はどうなるのか。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2007/01/11 00:00

2006→2007。格闘技はどうなるのか。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 バブルの終焉は何の前触れもなくやってくる。2007年の格闘技界は間違いなく「再編成」の1年になるだろう。アメリカのマーケットを見てほしい。'06年7月、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソンやバス・ルッテンらを招聘して華々しく再スタートを切ったWFAは早くもタップアウト。UFCに買収されることになった。興行戦争における弱肉強食は世の常。その他の新興イベント組織や団体も消滅、あるいは大手組織に吸収される可能性は高い。

 ネームバリューの高い選手を高額のファイトマネーで引き抜ければ、浮動層の獲得は期待できる。問題はそのあと。いつまでも“かませ犬”と闘わせていたら、洞察力を持ち始めたファンに「どうせ赤コーナーの方が勝つんでしょ?」と見透かされてしまう。総合格闘技ならではの「攻防」を見せなければ、固定ファンを納得させることはできない。

 日本に目を移してみると、'06年に続いて「海外進出」に目を向ける団体や組織が増えるだろう。K―1やPRIDEの強みは海外でその名がブランド化していることに尽きる。正面からバブルの風が吹いたとしても、その屋台骨が揺らぐことはない。すでにPRIDEはアメリカで5大会の開催を予定。地上波でのTV放映の道は閉ざされたままだが、海外の放送権料だってバカにはならない。噂されるロシアや韓国の大会も実現すれば、海外での大会数は増大することになる。キーマンはもちろん欧米でも知名度抜群のエメリヤーエンコ・ヒョードルだ。

 一方、K―1の方は先の『K―1ワールドGP2006決勝戦』が世界129カ国(!)で放送されるなど、着実にワールドワイドな道を進んでいる。'07年も反響の大きかったラスベガスやオランダでは大会を開催することが予想される。

 浮き沈みの激しいアメリカとは状況が異なり、これから日本国内のマーケットが急速に冷え込むことはあるまい。ただ、誰もが1週間先まで読めないのが現状だ。大晦日の対戦カードが発表の直前に決まるなど序の口。マッチメークは綱渡りの連続なのだ。ある関係者は私の耳元で囁いた。「今の格闘技界、一寸先は闇。手さぐりで前に進んで行くしかない」

 私は夢を見た。'07年大晦日の格闘技イベントがひとつになっている夢を。

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