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好調スキー陣を悩ます
深刻な資金難。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKoji Yamazaki/PHOTO KISHIMOTO

posted2009/04/09 07:00

好調スキー陣を悩ます深刻な資金難。<Number Web> photograph by Koji Yamazaki/PHOTO KISHIMOTO

 チェコ・リベレツ世界選手権のノルディック複合団体で金メダルを獲得したメンバーが海外転戦を終えて3月中旬、帰国した。金メダルは14年ぶり、荻原健司を中心とした黄金期から低迷を経ての結果だけに、帰国した選手たちは口々に来年2月のバンクーバー五輪に向けての手ごたえを語った。一方で、アンカーを務めた小林範仁はこう口にした。

「スポンサーがついてくれれば」

 それこそ最大の不安材料かもしれない。

金メダルの裏にはスポンサーの援助あり

 ノルディック複合の金メダルの要因は2つある。直接はワックスの成功だ。スキー競技では、板の滑走面にワックスを塗って試合に挑む。何十種類とある中から、気温、湿度、雪の温度など様々な条件を検討し、組み合わせて使う。そのよしあしで結果はかわる。日本チームにはオーストリア人スタッフがついていたが、日本の滑りのよさは、他国を驚嘆させた。

 もう一つは、若手の強化が実ったことにある。ノルディック複合は将来を見据え、大きな大会の日本代表に若い選手を入れてきた。小林は'01年、高校3年生で世界選手権に出場し、渡部暁斗も'06年トリノ五輪に高校2年で出場している。また、W杯の下のランクの国際大会にも積極的に若手を参戦させ、条件の異なる数々の会場を経験させたのも功を奏した。

 スタッフとの契約、強化活動に資金は欠かせない。だが今年3月、スポンサーとの契約が終了し、来季への新規スポンサーのめどは立っていないのが現状だ。

 海外の強豪国に比べもともと資金の少ない日本は、これまでも、夏場の雪上トレーニング一つとっても量は少なかった。このままスポンサーがなければ、強化はさらに厳しい状況となる。

バンクーバーで勝つために資金集めの方策を

 ノルディック複合にかぎらず、冬の競技は、一部を除けば資金不足に悩まされている。日本代表選手でも海外遠征では全額ないしは6、7割を自己負担していることは少なくない。Jリーグのクラブのように、広く資金を募るサポーター制度を導入する選手、メディアなどの知人に相談をもちかけるスタッフもいるが、なかなか解決の糸口は見えない。

 この冬の世界選手権で、ノルディック複合の金、ジャンプ団体の銅、上村愛子の2冠など成果をあげたスキー競技だが、バンクーバーでの成功は、どれだけ資金を集められるかにもかかっている。

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