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4年前の影を捨てて、情熱を取戻したオニール。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2008/11/06 00:00

 トレードはNBA選手たちにとって一大事だ。チームを変わるだけでなく、生活面でも新居探しや引越し等、新しい土地での生活を軌道に乗せるまでの苦労も多い。ましてや、国境を越えたトレードとなればなおさらだ。

 「引越し荷物も、国内の引越しと違って通関手続きが必要だから、2週間くらい余計にかかってしまった」と言うのは、7月にインディアナ・ペイサーズからトロント・ラプターズにトレードになったジャーメイン・オニールだ。

 それでも、オニールは今回のトレードを手放しで歓迎していた。

 「とにかく、精神的に疲れ切っていて、変化が必要だったんだ」

 オニールがトレードされたのはこれが2度目。前回、8年前にはポートランド・トレイルブレイザーズからペイサーズにトレードになった。ペイサーズで過ごした8年のうち最初の4年は順調だったが、後半の4年は一転してつらいことばかりだったという。

 「あれが始まりだったのは確かだ」

 オニールが“あれ”と言うのは、4年前の11月にデトロイト・ピストンズとペイサーズの間で起きた乱闘事件だ。観客を巻き込む、NBA史上最悪の乱闘事件だった。原因を作ったロン・アーテストが2年半前にトレードになった後も、チームはその余波から抜け出せなかった。

 オニールにとっては、追い討ちをかけるように膝の故障による不調が重なり、精神的な苦痛の日々だった。

 「故障自体よりも、とにかくネガティブな環境の中で生きていかなくてはいけないことに疲れてしまった」とオニール。バスケットボールに対する情熱も失いかけたというから重症だ。

 「チームのためにも、僕のためにも、別々の道に進む時だったんだ」

 それだけに、トレード成立を聞いたとき、オニールは嬉し涙を流した。

 「トレードになった日は、僕にとってはバスケ人生の中でも最も印象に残る日となった。情熱も戻ってきた。これでバスケットボールだけに専念できる」と喜ぶ。

 もちろん、異国の地に住む苦労がまったくないわけではない。

 「カナダでは僕の大好きなシリアルを売っていない。遠征に行くたびに何箱か買い、荷物に詰めて持ち帰っているよ」

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