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オデンが開幕戦デビュー、ブレイザーズの熱き胎動。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2008/11/20 00:00

 開幕日が独特の雰囲気を持っているのは、どのチームも希望に満ち溢れている日だからなのかもしれない。若く、将来性がある選手が揃ったポートランド・トレイルブレイザーズのようなチームにとってはなおさらだ。

 ブレイザーズにとって、今年の開幕はいつにも増して特別だった。故障のために昨シーズン全休した'07年ドラフト1位指名のグレッグ・オデンが復帰。これでブランドン・ロイ、ラマーカス・アルドリッジらにオデンと、チームの核となる若手選手たちがようやく揃い、新時代の幕開けだ。今シーズンのプレイオフ出場、そして近い将来の優勝争いも夢ではない。

 開幕戦の相手は、昨季のウェスタン・カンファレンス・チャンピオン、ロサンゼルス・レイカーズだった。いきなり強豪との対戦だが、それだけリーグから期待されている裏づけだ。開幕戦の前日、ブレイザーズのヘッドコーチ、ネイト・マクミランは選手たちに言った。

 「レイカーズは現在のチーム。私たちは将来のチームだ。まだ向こうのほうが優勢かもしれない。でも、まずは自分たちを信じることだ」

 この言葉に奮い立った選手たちがレイカーズに臆することなく挑み勝利をあげた、というのなら物語としては完璧だったかもしれない。しかし、現実はそうは甘くなかった。20点差の大敗で完膚なきまでに叩きのめされた上に、試合開始直後にオデンが足を痛めて後半を欠場。「怪我することなく最初の試合を終えたい」(オデン)と言うささやかな目標すら達成できなかった。

 それでも3日後のホーム開幕戦では、苦手としてきたサンアントニオ・スパーズ相手に1点差で勝利をあげ、希望を取り戻した。オデンの故障も精密検査の結果、2~4週間で復帰できる程度の捻挫と判明。最悪の事態を想像していたファンは胸をなでおろした。

 結局のところ、まだチームは開幕前に多くのファンが期待したほど強豪に育ったわけでもなく、開幕戦後に多くの悲観論者たちが嘆いたほど酷いわけでもない。ドラマのように一夜で何もかもが変わるわけではないのだ。

 「焦って経験を積めるものではない」とマクミランは言った。「焦るとだめにしてしまう。辛抱強く待つことも必要だ」

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