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新星レイカーズとブライアントの未来。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2004/11/18 00:00

 いったい、いつからコービー・ブライアントは変わってしまったのだろうか。

 つい先ごろ刑事裁判の訴えが取り下げられた婦女暴行事件のことではない。選手としての話だ。

 かつてデニス・ロッドマンは、「あのチームで見込みがあるのはコービーだけだ。ヤツは向上心があり、学ぼうとしている」と言っていた。試合の途中にマイケル・ジョーダンにアドバイスを求めたり、フィル・ジャクソンがレイカーズのコーチに就任する前から彼の片腕であるテックス・ウィンターに電話してトライアングル・オフェンスを学ぼうとしたのもブライアントだった。情熱的で、向上心にあふれ、年齢より大人の考えをする選手だった。

 しかし、3度の優勝のあとジャクソン、シャキール・オニール、ブライアントのレイカーズのトライアングルがあっけなく崩れると、ブライアントは自分の前に立ちはだかるオニールを邪魔者扱いし、システムの中に自分を閉じ込めようとするジャクソンを嫌う我侭な選手と形容された。フィル・ジャクソンは新著『ザ・ラストシーズン』で「コービーはマイケル・ジョーダンの後継者となり、同じだけ優勝することができたはずだった。このあと、彼はまだ1度や2度は優勝するかもしれない。でも、天真爛漫なヒーローのイメージは消え、かわりに無感覚の殺し屋のイメージにとってかわった」とまで言っている。

 夏の間にオニールもジャクソンもチームを去り、レイカーズは完全にブライアントのチームとなった。キャンプの初日、ブライアントは「これは僕がリードするチームだ」と宣言。実際、夏の間には新しいチームメイトたちに電話しワークアウトに誘ったという。

 「コービーの姿勢はマジック・ジョンソンを思い出させる」と、古巣レイカーズに戻ったセンター、ブラデ・ディバッツは言う。「チームから孤立したスター選手」と言われた、この数年のブライアントとは別人である

 もしかすると彼も根っこのところで、以前とそれほど変わっていないのかもしれない。どちらにしても、勝負の世界ではどちらが本当の彼なのかはあまり大きな意味を持たない。究極的に価値を決めるのは誰が強いか。ブライアントの選手としての真価も、新生レイカーズの今後の成績で決まる。

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