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未来のMVP――ドワイト・ハワードという逸材。 

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小尾慶一

小尾慶一Keiichi Obi

PROFILE

photograph byNBAE/gettyimages/AFLO

posted2004/12/01 00:00

 NBAにも豊作の年があるという。たとえば、1984年には、マイケル・ジョーダン、アキーム・オラジュワン、ジョン・ストックトン、チャールズ・バークレーといった未来のスーパースターがドラフトを賑わせた。また、昨年はレブロン・ジェームズ、カーメロ・アンソニー、ドゥエイン・ウェイドなど、即戦力の新人が何人もNBA入りしている。

 今季のルーキーはどうかというと、実はそのあたりの判断が難しい。6月に行なわれたドラフトでは、史上初となる8人もの高校生が1巡目指名を受けた。十代の選手の能力は未知数で、素晴らしい選手に成長する可能性もあるが、同時に期待外れに終わる可能性もある。04年ドラフト組については、例年よりも長いスパンで評価する必要があるだろう。

 だが、そうした高卒ルーキーの中で、早くも頭角を現している者もいる。ドラフト1位指名を受けたドワイト・ハワードだ。

 ハワードは85年生まれのパワーフォワード。運動能力に優れ、211センチという長身ながらコートを駆け抜ける機動力もある。肉弾戦の多いゴール下では、体格で劣る高卒選手は即戦力にならないというのが常識だったが、彼はそれをくつがえしてみせた。18歳らしからぬ広い肩幅、113キロという筋肉質な身体を活かして、次から次へとリバウンドをもぎ取る。9試合を終えた時点で、平均リバウンドは11・4。NBA全体で4位の成績である。あのケビン・ガーネットでさえ、平均10リバウンドに達するのに3シーズンかかったことを考えると、この数字の重みがわかる。

 ハワードの魅力は体格や運動能力だけではない。ゴール下で接触を恐れない闘争心。ルーズボールに果敢に飛び込む執念。加えて、若手選手には珍しく協調性もあり、いたずらにシュートに行かず、チームの一員として機能するように努力している。彼のようにひたむきな選手はどんどん伸びていく。オフェンス面での課題は山積みだが、闘う気持ちを忘れなければ、今後はガーネットやティム・ダンカン級の選手へと成長を遂げるかもしれない。

 10年後、ハワードや04年組ルーキーがどう評価されるのかはわからない。だが、そうした客観的な評価よりも、有望な新人の成長をじっくり見守る楽しみができただけで嬉しい者も多いはずだ。そんなファンにとっては、NBAは毎年豊作なのである。

時を超えた対決。

 デビュー戦にいきなり12点、10リバウンド、4ブロックをたたき出したドワイト・ハワード。その後も快進撃は続き、開幕から9試合連続で10個以上のリバウンドをもぎ取っている。ルーキーとしては、これは92―93年シーズン以来の快挙。12年前にそれを達成したのは同じくマジックに在籍したあのシャキール・オニールで、彼は12試合連続2桁リバウンドを記録した。当時20歳のオニールと、現在18歳のハワード。時を超えたビッグマン対決は、どちらに軍配が上がるのだろうか? 今季はハワードのリバウンドに注目だ。

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