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気配りの男、ジョンソンが松坂大輔の穴を埋める。 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2007/02/22 00:00

 キャンプで実際に目にしてみるまで、実力のほどが分からないのが外国人投手だ。アメリカが61億円を出してまで日本人投手を欲しがる時代。いかにメジャーで実績をあげていようと、日本で結果を出せるかは別の話だ。ソフトバンクの王貞治監督は、こう言った。「あわてて高い買い物をするよりも、3月末まで待って25人枠を外れた選手を獲る方が効率的だよ」

 それでも実際に活躍したのは、'99年のダイエー初優勝に貢献したロドニー・ペドラザぐらいだという。

 そんななか今季のキャンプで一際目立っている新外国人投手がいる。西武のジェイソン・ジョンソンだ。11歳で糖尿病を患い、今でもインシュリン入りの袋をベルトに付けている大型右腕。オリオールズなどでメジャー55勝をあげた実績もさることながら、キメ細かな気遣いができるところが目を引いた。

 外国人投手といえば基本的に大雑把で、マウンドが少々荒れていようが、力任せに投げてくるタイプが多い。しかし、ジョンソンは違う。投げる前が印象的だ。プレートから必ず6歩半測り、左足を踏み出す部分の土をきっちりと固めてから投球動作を開始する。前田康介・西武球団編成本部部長も、丁寧な投球に太鼓判を押す。

 「ともかくすべてのボールが低めに集まっている。成功する外国人投手の第一条件をクリアしているよね」

 細やかな振る舞いは、ピッチングが終わった後にも見られた。マウンドを下り、キャッチャーと握手しながらアドバイスを求めてきたのだ。球を受けた細川亨が教えてくれた。「握手をしながら、『気が付いたことは何でも言ってくれ。日本で少しでも長くやりたいと思っている。だから日本のやり方を早く学びたいんだ』と言われて……かえって恐縮しましたよ」

 郷に入っては郷に従えの精神で、早く日本の野球文化を理解しようという選手は、過去の例からいっても結果を残す確率が高い。

 「西武の選手たちはフレンドリーに接してくれるので気持ちよくやれるよ」

 日に日に西武のユニフォームが馴染んでくるジョンソンの姿を見て、元エース松坂大輔がボストンで早く可愛がられればよいのだが、とふと思った。

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