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今、女子に求められる、闘いに臨む覚悟。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2005/12/22 00:00

今、女子に求められる、闘いに臨む覚悟。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 “女子カク”こと女子格闘技が一進一退の動きを見せている。昨年は竹の子のように増えた女子カク専門イベントは霧散。現在は総合系のSMACK GIRLとG―SHOOTO、立ち技系のANGELSと天空に落ち着いた。'06年には男子が主体のDEEPでも女子タイトルが新設される予定だ。K―1とPRIDEのように大きな柱があるわけではないが、小さいながらも持つべきは我が家。去年のように各プロモーターが少ない競技者を奪い合うようなことはなくなったため、イベントごとのドラマは作りやすくなった。

 結果的に全体のイベント数は減ったものの、競技人口は確実に増えている。かつて女子カクの象徴であった女子プロレスでは老舗の全日本女子プロレスがジ・エンド。安定した人気を誇っていたGAEAも解散したため、腕っぷしに自信のあるレスラーの総合進出も後を断たない。

 レベルの高い試合も増えた。11月29日、東京で開催された「SMACK GIRL」では、しなしさとこvs.大室奈緒子のフライ級初代女王決定戦と渡辺久江vs.茂木康子という2大決戦がマッチメークされ、いずれも期待に違わぬ好勝負となった。男子と比較しても、レベル的に遜色のない試合は多くなっている。

 その一方で問題がないわけではない。藤井恵、辻結花、WINDY智美など強い選手や人気のある選手の顔ぶれは去年までとほとんど変わらず、それ以外の選手との差が開きつつあるのだ。さらに柔道やレスリングなどバックボーンを持っている生粋のアスリート派と、そうでない派の差も顕著に現れるようになってきた。成功を収めているのは前者。後者で目立った活躍を見せているのは、渡辺久江くらいしかいない。アイドルや元AV嬢といった肩書きを持つ選手に関心が集まるのもいいが、裏を返せば、それはジャンルとして成熟していない証拠でもある。女子カクを追い続けるフリーライターの松本幸代さんは言う。

 「ルックスに関係なく、オーラを出している選手もいる。女子ボクシング元世界王者のライカじゃないけど、ある一線を越えられるかどうかが問題」

 どこまでプロとしての覚悟を抱いて闘いに臨めるのか。ある一線という名のハードルは想像以上に高い。

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