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好調の女子ゴルフ勢、肉体改造が飛躍の鍵だ。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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posted2004/12/02 00:00

 F1レーサーだった中嶋悟、プロゴルファーの中嶋常幸と鼎談したことがある。中嶋悟が引退した直後の話で、僕は引退を決めた理由を聞いてみた。

 「新しいマシンを見たときに、自分の体力では持て余すだろうなって思ったんです」

 中嶋は、F1レーサーとしては肉体的には恵まれていなかった。もちろん身体能力を高める努力は人一倍やった。それでも不足している部分は「ミスを犯さないこと。つまり減点を抑えること」で補おうとしたという。

 「例えば、身体能力はコーナリングでのブレーキ操作で大きな差となる。僕が目一杯の力でブレーキングするところをセナは、軽々やってのける。すると彼には微妙な操作をする余裕ができるが、僕にはその余裕がない」

 という現実があったらしい。

 僕は、その話が、まさにいまの進化したゴルフクラブの話と一致すると思った。

 「世界ランキング50位以内の選手で、身長180cm以下という選手は、実はあまりいないんですよ。だから僕の場合は、パッティングで勝負するしかない。飛距離じゃ絶対に負けるし……。こっちが最高のゴルフをして、向こうがミスをしてくれてなんとか勝負になる」

 これはかつての丸山茂樹の弁だ。

 いまのゴルフクラブの機能は、慣性モーメントをどれだけうまく使いこなすかだから、身長があって、腕の重量があって、その振りを支える肉体があれば飛距離はいくらでも出るという特徴がある。だから女子プロのアニカ・ソレンスタム(身長167cm)も男子選手と同じハードなトレーニングをして、身体能力を高めている。

 ハワイの女子選手、ミシェル・ウィーは、身長183cmで、最大飛距離で330ヤード前後を飛ばす。彼女は'89年10月生まれ、つまり15歳になったばかりだが、彼女がそれだけ飛ばせる要因は、やはり身長にある。

 日本の女子ゴルフ界は、宮里藍が、日本プロスポーツ史上初の10代での賞金1億円突破を果たし、いまも更新中。ほかにも横峯さくらやアマチュアの諸見里しのぶ、宮里美香など、続々と10代の有望選手が登場している。

 だが、彼女たちと世界トップクラスの女子選手との身長差は歴然としている。彼女たちが世界の舞台へ羽ばたくには、今後どれだけ肉体改造に取り組むかが鍵を握るはずだ。

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