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期待するからあえて言う。宮里藍よ、ワルになれ! 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

posted2004/12/28 00:00

 宮里藍は、シーズンを終えたあとの記者会見で「今年は120%以上の上出来なシーズンでした」と語った。もちろん、シーズン通算5勝を挙げ、獲得賞金も1億円を超えたという結果を指してのことだった。

 だが、反省材料もいくつもあるという。そのひとつが、不動裕理と賞金女王争いをした最終戦LPGAツアー選手権、最終日の17番ホール。ティーショットでボールを右の林に打ち込んでしまい、痛恨のボギーを叩いた結果、1打差で不動に敗れてしまった。

 「あのとき、アドレスして一瞬、ほんの一瞬、迷いがよぎったんです。その1秒もない迷いでボールが曲がってしまった。結果的には1打差ですけど、その1打の重みは、とても大きいものだと思っています」

 宮里は19歳と思えないほど言葉の使い方、自分の意思の伝え方が上手だ。確かに、その語りと正反対に、あどけなさやお茶目さもあるけれど、端的に自分の意見を伝え、相手が言わんとしている趣旨をしっかり把握して答える彼女の聡明さには、本当に驚かされる。

 最近、彼女と丸山茂樹親子と僕と一緒に昼食をとる機会があった。そのときの食事の仕方も、マナーどおりのしっかりしたものだった。同年齢の仲間たちと食べるときは違うのかもしれないが、10代とは思えない振る舞いに、ついつい感心してしまった。

 「'05年は、自分の力を試すためにも、世界を知るためにも、米女子ツアーのテストを受けようと思っています。もちろん、最初の目標は、日本のメジャー大会に勝つことです。今シーズンは出来すぎだと思っていますから、オフはリセットして来年に備えます」

 彼女は表情も発言も、屈託がなく素直で明るい。その明るさが彼女の強い味方だと思う。でも、僕は、もっといまはヤンチャでいいのではないか、とつい思ってしまう。過去にスーパースターと呼ばれ、一時代を築いた選手たちは、もっとヤンチャで個性的だった。かのジャック・ニクラスだって悪役からのデビューだったのだ。性格の良さはときに個性を埋没させてしまうことがある。いまから優等生になるのではなく、もっと尖って、壁にぶつかった方が大成すると思うのだ。

 彼女の類稀なる才能は、まだまだこんなものじゃないのだから。

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