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広島にあえて言いたい。マンネリズムを脱却しよう。 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2007/12/28 00:00

 今季のJ1開幕時、当欄で「広島の熟成された強さ」について取り上げた。ところが、その広島が京都との入れ替え戦に回り、ついにはJ2へ降格してしまうのだから、勝負事は分からない。

 ペトロビッチ監督の下、最終ラインからパスをつなぎ、攻撃を組み立てていくサッカーは魅力的だった。そこには、自分たちから仕掛けていくという、明確な意志が見えていた。

 しかし、シーズン途中、失点が増えるようになると、俄然トーンは下がった。ただつなぐだけで、相手にとって危険なパスが出せない。むしろ、つなぐ意識が裏目に出て、不用意な横パスを奪われ、カウンターを受けることが増えた。

 「リスクを負わず、アリバイ作り的なプレーが多かった」

 入れ替え戦第1戦に敗れた後、指揮官の口にした言葉が、今季を象徴していた。

 加えて、危機感の芽生えも遅かった。入れ替え戦行きの16位とは勝ち点8差の13位にいた第24節を最後に、入れ替え戦2試合も含めれば、結局12試合勝ち星がないまま、リーグ戦を終えた。

 「上位には勝てず、勝った相手は下位ばかり。悔しいけど、妥当な順位だったと言わざるをえない」

 佐藤寿人はそう言って、唇をかむ。

 A代表の佐藤、駒野友一のほか、広島は年代別代表の選手も抱える。選手の顔ぶれだけを見れば、残留を争うような戦力ではない。にもかかわらず、クラブ史上2度目のJ2降格は起きた。

 広島は、ユース部門で最も成功しているJクラブと言っていい。トップには、ユース出身者が数多い。だが、それは裏を返せば、高校時代からずっと同じ環境にいる選手が多いということでもある。

 一カ所にとどまり続けることは、ときに甘えを生み、選手の成長にとって必ずしも有効に作用しない。環境を変えることで、選手は大きく伸びることがある。

 また、チームにとっても、マンネリ化が避けて通れない問題となる。選手が入れ替わることは、新たな競争と緊張感を生み出し、下から育ってきている若い才能を伸ばすことにもなるはずだ。

 2度目の失策を犯した今、広島に必要なのは、現状維持ではない。選手、チーム双方の成長を考え、変化を決断することではないだろうか。

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