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レッズの大型補強は○。ただし独走させては×。 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2008/01/31 00:00

 年々、オフの移籍市場が活発になっている。それも、いわゆる“ゼロ提示”を受けた選手というのではなく、新旧のA代表クラスや、U―22代表クラスの大物が目立つ。他競技と比べて、サッカーの選手寿命は決して長くはない。成長できる環境や、出場機会を求めて、移籍するのは当然の考え方だ。

 このオフの移籍市場を引っ張っているのは、言うまでもなく、浦和である。昨季は実質、阿部勇樹ひとりで、量より質の補強だったが、今季はエジミウソン、梅崎司など、量の面でも積極的だ。最後に高原直泰を加えたことで、大型補強のインパクトはさらに強まった。

 浦和のこうした動きについては、眉をひそめる向きもあろうが、私自身は歓迎すべきことだと考えている。プロ野球のように、固定された球団でリーグを形成しているなら、戦力の均衡が望ましい。しかし、J1のようにJ2降格がある場合は、事情が異なるからだ。

 全クラブに押し並べて優勝のチャンスがあれば、確かにおもしろいかもしれないが、一方で、降格の危険性も全クラブに生まれることになる。それでは長期的なチーム作りはままならず、若手の育成も期待しにくい。戦力的にも財政的にも恵まれたクラブが出てくることは、結果としてリーグ全体を安定させ、日本全体の強化にもプラスになるのである。

 つまり、同じように見える大型補強でも、巨人は“なし”だが、浦和は“あり”。むしろ、浦和と同じことができるクラブが、もう2、3あっていい。

 以前、家長昭博に浦和の印象を尋ねたことがある。すると、返ってきた答えは「ビッグクラブ、って感じですよね」。G大阪をそうは思わないのか、と問うと、「全然。万博に来てもらえば分かりますよ」と返された。

 万博競技場の収容人員は、埼玉スタジアムの約3分の1。雰囲気は、実にのどかなものだ。そこでプレーする選手にしても、自前で育てたユース上がりの選手が多く、浦和とは明らかに趣が異なる。浦和を追う筆頭格のG大阪ではあるが、確かに、家長の言うこともうなずける。ハード、ソフトの両面で、浦和はガリバー状態になりつつある。

 浦和を止める必要はない。ただ、浦和と併走できるクラブは必要だ。

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