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団結力と層の厚さで、エンジェルス、強し。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2004/06/03 00:00

団結力と層の厚さで、エンジェルス、強し。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 下馬評通り、エンジェルスが快調に飛ばしている。特に、5月に入ってからはいきなり9連勝を記録するなど、30球団ナンバーワンの勝率(5月16日現在)をマークしている。しかし『エンジェルス強し』を強烈に印象付けたのは、皮肉にも10連勝を逸した試合だった。2度の降雨中断をはさみ、二転三転の大熱戦は延長10回、ヤンキースにサヨナラ負けを喫したのだが、かえってその分厚いチーム力を十分に見せつけることになったのだ。ヤンキースがバーニー・ウイリアムスを除くベストメンバーで臨んでいたのに対し、エンジェルスはギャレット・アンダーソン、ティム・サーモン、ダリン・アースタッド、そしてホセ・ギーエンと4人もの主力打者を故障で欠いていた。それでも先発のケビン・ブラウン、抑えのマリアノ・リベラを打ち込み、互角に渡り合ったのだ。

「あれこそが今年のウチだよ」

 と、デイビッド・エクスタインはさりげなくいった。

「ゲレーロやコロンらを補強したことで、ウチはシーズン前から高い評価を受けている。確かに、彼らの成績をみればチーム力が上がったのは一目瞭然だけど、何よりも今年のチームには勝ちたいという意欲がみなぎっているし、団結力がある。昨夜はそれを証明するような試合だった」

 エンジェルスは買収によって、メジャー史上初めてのヒスパニック系オーナーが就任。オフには積極的な戦力補強を行う一方で、マイナーリーグのようなきめの細かい地元密着型のプロモーションにも力を入れてチームの活性化を図っている。

 エクスタインは、淡々と続ける。

「これだけチームを変えると、普通ならまとまるまでに時間がかかる。でも、ウチはスプリングトレーニングの初日から、クラブハウスはフレンドリーなムードに溢れて、誰でも歓迎するよって感じがあった。それはサーモンやアンダーソンら主力にエゴがないからだと思う。今年はおととし優勝したチームよりもムードがいいんじゃないかな」

 主砲のグラウスが右肩の手術で今季絶望となったものの、マイナー組織にも有望若手がひしめき、すでにシーズン中のトレードもスタンバイOK。エンジェルス有利の展開は間違いなく続くことだろう。

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