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大同団結となるか?UFC包囲網完成間近。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2008/01/16 00:00

大同団結となるか?UFC包囲網完成間近。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 歴史を繰り返すな。日本格闘技界の2007年を振り返ってみると、最大の事件はK-1やHERO'SをプロモートするFEGと旧PRIDE派の「大連立」だろう。'70年代のキックボクシング、'80~'90年代のプロレスなど、我々は幾度もリングスポーツやエンターテイメントの離合集散を見てきた。分裂したら最終的にそのジャンルが弱体化することは歴史が証明している。

 PRIDEという対抗勢力が消滅したことで、その分K−1やHERO'Sの人気が上がるかといえば、答えは否。むしろ足を引っ張られる。それを予見してかつて犬猿の仲だった両派が協力しあったことは画期的な出来事だった。大英断というしかない。目先の利益だけにこだわっていたら、何も生まれない。

 ここ数年、日本の格闘技界は「大晦日」を分岐点に新たなベクトルに進むケースがひじょうに多い。2006年の12月31日など典型的にそうだった。PRIDE派の年に一度の祭典『男祭り』が終わるや、PRIDE派は失速。MMA(総合格闘技)の中心地は日本からアメリカへと移り変わってしまった。我々はもっと早く気づくべきだった。K−1派とPRIDE派が興行戦争を続けている裏で、アメリカではUFCが着々とMMA市場の独占化を推し進めていたことを。

 本当の敵は国内ではなく、海外にいたのだ。果たしてPRIDEの主力だったアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラやヴァンダレイ・シウバらはUFCに活路を求めた。興行は弱肉強食の世界。ノゲイラやシウバの選択をとやかくいう権利はないが、日本が世界のMMAの主役でなくなったことに寂しさを感じるのは筆者だけではあるまい。

 しかもUFCの戦略は業界の独占。自分たち以外は全てマイナー(あるいはジョーク)という発想だ。昨年大晦日の『やれんのか!』に今春アメリカで本格的な活動をスタートさせる『M−1グローバル』が全面的に協力。同組織のエースで“UFCにNOといった男”エメリヤーエンコ・ヒョードルを投入したのは、vs.UFCという部分で完全に“ALL JAPAN”と利害が一致したからにほかならない。歴史(=失敗)から多くの教訓を得たALL JAPAN。大連立の先には明るい未来があると信じたい。

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