SCORE CARDBACK NUMBER

新日本再建の鍵は、都会の“小さな箱”。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

posted2006/06/08 00:00

 新日本がイベント会社にチケット販売運営を委託。実験的試みとして収容人員500人前後の小規模会場で、ハッスルやニューヨークのWWEと一線を画したエンターテイメント路線の2本立て興行に乗り出した。

 星野勘太郎率いる魔界倶楽部の1年8カ月ぶりの復活を売りに、GW明けの5月13日、東京・新宿FACEで行われた『レッスル・ランド』大会だ。

 人気の棚橋弘至をエースに新日本勢だけでなく、つぼ原人、愚乱浪花、北海道(石狩太一)も登場させ、他団体、フリーの選手が出場した何でもありの内容だった。昨年オープンしたばかりの歌舞伎町ど真ん中の新拠点は550人の観客で超満員となった。

 ある関係者は「ストーリー性を重視したイベントにしたい」というが、突如、“海賊男”ガスパーが現れ、星野総裁に手錠をかけて連れ去った場面はいただけなかった。「なに、それ?」。今の若いファン層は、18年前のカビ臭い覆面キャラを知らない。目玉はメーンの棚橋vs.タイガーマスクの初対決だった。次回は棚橋、魔界軍を中心に6月30日の予定だという。筆者に言わせれば、遊園地感覚ではなく、歓楽街に誕生したお色気抜きの“プロレス小劇場”である。

 一方、ゴチゴチの硬派は長州力率いるリキプロ道場の人脈を活用して、21日、東京・新木場1stRINGで行われた『ロックアップ』大会だ。

 女子プロレスやインディー系団体の使用でお馴染みの会場は足の便がいい。だが、テレビ放送機材が入れば、本部席もままならぬほど狭く、400人強の観客を詰めれば、メガネも曇る凄い熱気だ。久し振りに経験した、全6試合立ちっ放しの観戦であった。

 リングと観客席が近いから場外戦になっても逃げ場がない。金村キンタローの血が飛んでくる。小柄なエース、石井智宏や大日本の関本大介が間近に迫り大きく見える。そんなダイナミックな臨場感は“メッカ”後楽園ホールにないものだ。

 「それだよ。選手も力が入る。見る側は興奮する」と語ってくれた長州。軌道に乗ればシリーズ化したいという。落ち込んだプロレス。その再建策のヒントになるか。次回の新日本の2本立てミニ興行を注視したい。

関連キーワード
新日本プロレス

ページトップ