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星野JAPANで真のドリームチームを! 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2007/02/22 00:00

 いよいよ北京五輪に向け野球の日本代表チームが動き出した。

 1月25日に星野仙一阪神シニアディレクターの監督就任が発表され、直後に同監督の盟友ともいえる田淵幸一氏のヘッド兼打撃コーチ、山本浩二氏の守備走塁コーチ、アテネ五輪でも投手陣のまとめ役を務めた大野豊氏の投手コーチ就任が決まった。

 この星野JAPANの最初の大きな仕事が、11月26日から台湾で行われるアジア予選と本大会に向けた日本代表メンバーの選抜となる。

 2004年のアテネ五輪では初めてプロ野球から全選手を選抜するドリームチーム「長嶋JAPAN」が結成された。'03年オフの11月に行われたアジア予選では、翌年にメジャー移籍した松井稼頭央(現コロラド・ロッキーズ)らを含め、国内の強力メンバーでチームを編成できた。しかし、ペナントレース中となった本番では各チームの思惑から、1チーム2名の選出枠が決められた。そのため長嶋監督(当時)が、思い通りのチーム編成ができなかったという苦い経験がある。

 結果として本番のアテネ大会では、銅メダルに終わった。長嶋監督に代わりチームを任された中畑清ヘッドコーチも「選手選考では次への課題を残した」と語っている。

 それだけに改めて期待をするのが、選手や球団に最も発言力のある“ご意見番”が揃った星野監督以下日本代表スタッフとなるのだ。

 '08年の北京五輪も8月の開催で、ペナントレースの真っ只中。一部ではシーズンを中断する案も出ている。しかし、夏休みのかき入れどきに2週間以上にわたり試合を中断できるのか。各チームにとっては営業面で大きな障害があり、公式戦中断は難しそうなのが現実だ。

 アテネ五輪では阪神の岡田彰布監督と中日の落合博満監督が、選手派遣に厳しい注文をつけている。長嶋監督は阪神の井川慶、中日の川上憲伸らの出場を熱望しながら「1チーム2人枠」の前に断念せざるを得なかった。今回はすでにオーナー会議で出場選手の人数枠撤廃の方向は出ているが、それでもペナントレースが続行される限り戦力ダウンを嫌う各チームの思惑から、選手選出の綱引きは避けられそうもない。

 そうした意味では、中日、阪神で監督実績のある星野監督にこうした壁を突き破ってドリームチームを結成して欲しいというのがファンの願いだろう。WBCで活躍したイチローが「五輪はアマチュアのもの」と出場意思のないことを表明するなど、メジャー組の参加の可能性は低い。星野監督は「出たいヤツだけで出る。こちらから頭を下げてお願いはしない」と、選手選考ではまず、本人の日の丸を背負う意志を条件としている。その中で、国際大会未経験の川上や日本ハムのダルビッシュらも引っ張り出して国内最強メンバーを選出。金メダルを狙えるチーム作りができるかが一つの試金石となる。

 今回のアジア予選は1位だけが通過。2、3位は来年3月に8カ国が参加して行われる世界最終予選で3位以内に入ることが条件となる。アジアで2枠あったこれまでは2位狙いで日本戦を捨ててきた韓国、台湾もガチンコで「打倒日本」に勝負をかけてくるだろう。また本大会でもWBCで優勝した日本は各国の目標となるのは確実だ。そうした包囲網をかいくぐり“最強日本”を最後の五輪の舞台で証明できるか。星野JAPANは大きな十字架を背負っての船出でもある。

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