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スペインとの提携で
日本代表はどうなる?
~“ポスト岡田”を深読みする~ 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2010/02/17 06:00

「スペイン化」が南アW杯後のキーワードとなる可能性も

「スペイン化」が南アW杯後のキーワードとなる可能性も

 日本サッカー協会がスペインサッカー連盟と「パートナーシップ協定」を結んだ。協定の中身を平たく言えば、日本が育成世代の指導者を養成するにあたってスペインから全面的な協力を得る、ということ。その手始めとして日本協会が今春に開設する指導者養成スクールに、コーチングスタッフの派遣や情報提供などの支援を受ける予定でいる。

 現在世界ランク1位のスペインにはユース世代の強化に力を注いできた歴史と実績がある。U-20W杯の13度出場(優勝1回、準優勝2回)、U-17W杯の8度出場(準優勝3回)は欧州勢のなかでは最多だ。調印式に出席したアンヘル・リョナ会長は「(育成世代の)指導者を養成するという点で我々は先進国。連盟が協力できる分野だ」と力強かった。

 7大会連続で出場中だったU-20W杯の出場権を2008年に取り逃がした日本にとって、スペインのノウハウを手にできる意義はとてつもなく大きい。指導者の養成、ひいてはユース世代の強化というのは差し迫った課題であった。しかしながら、今回の協定は「育成世代の指導者養成」だけが狙いではない。日本協会の犬飼基昭会長は、お互いの関係の発展をにらんでこう語っている。

「(スペイン人の)体格は日本人とあまり変わらない。それなのにドイツやオランダたちと互角に戦っている。スペインに学ぶところはある」

 将来的なA代表の強化を含めて日本サッカー全体をスペイン化していく覚悟のようにも受け取れる。犬飼会長は南アフリカW杯以降、A代表同士の定期戦の可能性にまで言及している。今後の深い付き合いを期待しているのは明らかだった。

フランスとの交流で有形無形の財産を得た日本サッカー界。

 こうした提携は過去にもあった。'02年のW杯自国開催を前提としたフランスとの全面的な交流である。

 フランスが自国開催のW杯で優勝を果たした'98年以降、日本は提携を結んだこの国から様々なノウハウを授かった。予選のないスケジュールをいかに有効に使ったのか。そんな細かい情報提供から監督の推薦まで、関係を密にしていった。フィリップ・トゥルシエをA代表の監督として招聘したのも、フランス協会のお墨付きを得たからである。トゥルシエにはU-20世代、五輪世代を指揮させ、一貫指導の効果を確認できたことも日本の財産になった。

 '06年にはフランスの国立サッカー学院(INF)に倣って中高一貫教育でエリートを育てるJFAアカデミー福島の開校にこぎつけてもいる。フランスとの関係は、ソフト、ハードの両面において日本サッカーの発展に欠かせなかった。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  「若手育成」と「代表強化」の両立をスペインから学ぶ。

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