今、日本で活躍するボクサーのなかで、一般的な知名度の高さでは内藤大助、亀田興毅がトップだろうが、コアなファンの間で強く支持されているのは長谷川穂積であり、西岡利晃、ホルヘ・リナレスである。3人の共通点は、ボクシングそのものを売り物にした本格派であること。なかでも10月10日のダブル世界タイトル戦に出場する帝拳ジムの2王者、西岡、リナレスはともに直近の防衛戦をアウェーのメキシコで行ない、難敵相手に鮮やかなKO勝ちを飾ったばかり。その凱旋試合に注目が集まっている。
デラホーヤが「最強のひとり」と認めるリナレスは日本育ち。
西岡はもちろん、2年8カ月ぶり、世界獲得後に初めて日本のリングに上がるリナレスからも目が離せない。「ベネズエラのゴールデンボーイ」の鳴り物入りで、17歳になる直前に来日。以来、7年間で27戦全勝18KO。「パウンド・フォー・パウンドで最強のひとり」とオスカー・デラホーヤが絶賛したが、実際に見ていてこれほど楽しいボクサーはいない。美しいフォームから繰り出されるジャブを基本とした華麗なボクシング。体の動き、パンチともにスピードとキレがあり、相手の動きに鋭く反応する。芸術的なカウンターで仕留める試合が多いのも特徴で、過去4度の世界戦はすべてKO、TKOで決めている。すでにフェザー、スーパーフェザー2階級で世界王座獲得。「4階級制覇」の公約の半分は達成したわけだ。
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photograph by BOXING BEAT