朝青龍と白鵬、両横綱による青白時代は短命の様相を帯びてきた。
先場所に続き、白鵬が独走で優勝。連続の全勝優勝こそ逸したものの、余裕を持っての横綱相撲を見せ、相手のどんな攻撃にも柔軟に対応できる懐の深さには、ただ脱帽するしかなかった。離れてよし、組んでよし。横綱の重責を楽しむかのように勝利を重ねる姿には、相撲界のリーダーたる自覚と自信が満ちあふれていた。横綱昇進後の8場所で早くも5回目の優勝であり、九州場所を待たずに年間最多勝も確定させた白鵬は、弱冠23歳にして円熟味を見せ始めた。
一方、朝青龍はよもやの連続途中休場。先場所痛めた左肘が完治していなかったようだが、その凋落ぶりは目を覆うばかりだった。全盛時が嘘のような負け方には、引退の二文字も囁かれた。場所前、急に徹底された立合の手つきに対応できず、空回り。その相撲を支えてきた生命線の、激しい闘志や勝負への執着心にも翳りが見えた。しかし、朝青龍は、力が最も出るはずの28歳になったばかり。復活はイバラの道だろうが、その圧倒的な存在感を今一度示して欲しいものである。
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