トレードされた選手が新天地で活躍するケースは案外多い。今年プロ10年目を迎えた近鉄の川尻哲郎もその一人。キャンプから吉田豊彦、加藤伸一といったベテランに混じってマイペースの調整を許されていて、「環境が変わった事で妙な色眼鏡で見られず、ノビノビやれるから気分がいい」と言っていた。
阪神時代、'98年には中日を相手にノーヒットノーランを達成。日米野球でもシリング(現レッドソックス)と投げあい、9回まで無失点に抑えたこともあった。しかし、毎年のように契約更改で揉め、代理人交渉を行った末にポスティングでのメジャー行きを直訴したこともあって、球団に煙たがられた。ここ数年は登板機会すら減り、昨年の優勝にも貢献できないまま、前川勝彦とトレード。ただ幸運なことに、近鉄には大学時代、高津臣吾(現ホワイトソックス)とともに“亜大三人衆”といわれた小池秀郎がいた。近鉄の家族主義的な雰囲気も、川尻に合っていたのだろう。往時の輝きを取り戻したのだ。
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