100年ぶりのワールドシリーズ優勝を目指すカブスが開幕から快走し、地元シカゴ・リグレーフィールドはすでにお祭り状態だ。確かに投打の充実ぶりをみればその可能性は十分にあるが、そう簡単にいかないのがペナントレース。地区で後を追うブリュワーズ、カージナルスも手をこまねいているわけではない。
たとえば、打線の爆発力を売り物にするブリュワーズは、7月に入り昨年19勝のサイ・ヤング賞投手、サバシアをインディアンスからトレードで獲得。投手力を整備し、追撃の狼煙を上げた。
しかし、カブスにとって、より不気味な相手は、カージナルスではなかろうか。ワールドシリーズ10回優勝の名門だが、開幕からエースのクリス・カーペンターと左腕の先発マーク・マルダーを故障で欠いたため、地区3位に終わった昨年以上の苦戦が予想されていた。ところが、フタをあけると堅実な戦いぶりで上位をキープ。現役最多勝監督の名将トニー・ラルーサのやりくりが光っているのだ。
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photograph by Yukihito Taguchi