チームの勝利に不可欠なのは、7、8回をキッチリ抑え切れるセットアッパーの存在、と言われる近代野球。今季前半に阪神タイガースが快進撃を見せたのも久保田智之、ウィリアムスの活躍があってこそだった。ひとりでは長いシーズンを乗り切るのは難しいが、ふたりとなれば話は別だ。しかも、左腕、右腕がそれぞれひとりいれば、鬼に金棒である。
今季の巨人の逆転劇はまさしく右腕と左腕の若手セットアッパー越智大祐、山口鉄也が支えたと言っても過言ではない。特に山口の急成長は、尾花高夫投手コーチと取り組んだ賜物である。
尾花コーチの持論は「左のセットアッパーが二桁勝利を挙げれば優勝できる」というものだ。'99年に福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)が優勝したときにも14勝を挙げた左腕・篠原貴行の存在があった。巨人でも左の中継ぎを何とか育てたいと白羽の矢を立てたのが、'07年に32試合に登板、2勝を挙げた山口だった。
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photograph by Hideki Sugiyama