#1153
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「えっ!このタイミング?」桑木志帆&小田亨、メジャー制覇を支えた選手とキャディの距離感「18番までは少し歩く距離が長くて…」

2026/10/11
今年8月の全英女子オープンで、日本勢7人目の海外メジャー覇者が誕生した。倍以上、年の離れた女子プロとベテランキャディ。快挙を生んだのは、互いの領域を尊重し合う関係性だった。(原題:[メジャー制覇の裏側]桑木志帆&小田亨「近づきすぎず遠すぎず」)

《桑木志帆 バディの流儀》

いい関係を築くのに必要なのは距離感。お互いにリスペクトを持つこと。私は単純に褒めてもらえればうれしい。

《小田亨 バディの流儀》

選手とキャディには距離感が必要。キャディとしては息を合わせる以上に、選手と真逆の感覚を持っていたい。

 朝の食卓においしそうなキムチの香りが漂った。イングランド北西部のリゾート地、ブラックプールのとある家。ほくほくと湯気を立ち昇らせているのは、前夜の鍋の残りでトレーナーが作った雑炊だった。一軒家を借りて宿泊していた桑木志帆は、少し遅めの朝ごはんにそれを食べ、コーチやマネージャーと他愛もない話をして、時間が来るとゆっくりと体をほぐし始めた。

 8月2日、メジャー優勝を懸けた全英女子オープン最終日の朝。日本ならば午前中にはすべての組がスタートするが、イギリスの夏の日は長く、最終組のスタート時刻は午後2時35分。その2組前、3打差の2位につけていた桑木も普段以上にゆったりと過ごす時間があった。

 キムチ鍋の素は、辛いものが好きな桑木のためにキャディの小田亨が日本で買ってきてくれたものだった。ただし、その場に小田はいなかった。何をしていたか。ひとりでテトリスをしていた。

 借りた物件の部屋数の都合もあり、小田だけがコース近くのホテルに泊まっていた。ひとり過ごす時間にはニンテンドースイッチをやり込み、「ドラクエ、すっごい進んだよ」と桑木に喜んで報告していた。

 コースで会い、コースで別れる。ゴルファーとキャディにとっては決して珍しいことではない。それがお互いのためにもなると桑木は思っていた。

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photograph by Takuya Sugiyama

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