日曜日の昼さがりにマドリーの中心街を散歩していると、至るところでキリアン・エムバペのユニフォームを目にした。
マヨール広場の土産物屋の軒先で9番のユニフォームが揺れる。真っ白な公式ショップでも最も目立つところに飾られていた。店員に話を聞くと、一番売れているのはやはりエムバペだという。
「ベリンガムとほぼ同じだけど、一番はエムバペだろう」
昨季、レアル・マドリーで最も多くユニフォームを売ったジュード・ベリンガム。スペインには観光客やリタイアした富裕層など、英国人が多いことも一因だった。それを一瞬で抜き去るエムバペの初速はさすがだ。マーケティングの観点からは、スターが大勢いることで自社商品が売上を奪い合う「カニバリゼーション」のリスクを指摘する専門家もいる。たしかにベリンガムやビニシウス・ジュニオールのユニフォームを着たファンも多い。スター集団の中ではロドリゴすら地味に映ってしまう。
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