連敗を7でストップさせた翌日、東京ヴェルディ1969のクラブハウスにはJ2としては異例とも言える70人の報道陣が詰め掛けていた。続投の決定を受けたラモス瑠偉監督は「辞めるのは簡単。投げ出すのも簡単。でも、オレは男だよ。サムライなんだよ」と吼えた。潔い辞任よりも、敢えて試練を選ぶ。今後も続くであろう苦難の道に挑むことを宣言したのだ。
普通、どのクラブも7連敗となれば解任は止むを得ない。大型補強を敢行して戦力は整っているだけに、監督の手腕を疑われても仕方のない状況だった。さらにこの名門クラブには「5連敗」で監督解任という暗黙の了解もある。過去、ニカノールやエスピノーザらに適用されてもいる。しかし、フロントはこの不文律を破った。6連敗して迎えた水戸、京都の2連戦でどちらかに勝てば基本的に解任はなかった。水戸に予想外の1−5で大敗したために、京都戦では3点差以上の勝利を義務付けるしかなかったのだが……。何とか続投の可能性を探るフロントの先に答えありの奔走ぶりがうかがえた。
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