マウンドには2人の石川雅規がいた。1回先頭の佐野皓大に初球を左翼線に二塁打され、2死から吉田正尚、頓宮裕真を連続で歩かせて満塁へとピンチを広げる。そして2回もまた1死から連続四球で得点圏に走者を進められてしまった。
「ちょっと怖がっている部分と、丁寧にいっている部分とが紙一重だった。ストライクとボールがはっきりしていた部分があったかと思いますね」
高津臣吾監督の分析だ。
5回を投げて許した安打はわずかに2本。しかしシーズン中の与四球は1試合1.61個という石川が、「丁寧さと恐怖」で与えた四死球は全部で5つ。そこにいつもは見られない左腕の姿があった。
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photograph by Naoya Sanuki